【イナイレ】かたぎじゃない少女は皇帝に仕える忠犬・2 (ページ31)

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78話~思わなかった~ ページ31

練習が終わりグラウンドから出たら何故か窓枠に不動さんが座っていた

貴女「そんな所で何やってるんですか？危ないですよ？」

不動「よぉAチャン、待ってたぜ？」

貴女「何か用事でも？」

不動「いや、今なら面白いものが見えるから一緒にどうだ？」

何て、聞いてるのに既に手を掴まれて一緒に窓から外の木に飛び乗せられた

貴女「……強制じゃないですか」

不動「まぁまぁ………オラ、アレ見てみろよ」

そう言われて不動さんが指を指したところを見るとどうやら吉良君に充が近づいているところだった

面白いものってこれかよ………

そーいえばAチャンは一星と結構交流してたよなぁ？

お前から見たらアイツはどっちだ」

巫山戯たような喋り方から突然真剣な口調になり思わず不動さんを見た

貴女「………」

不動「………お前はどっちなんだ」

二つの意味が込められたその言葉

じっとこちらを見つめる彼の目に静かに喉を鳴らして口を開ける

貴女「………彼は恐らく黒ですよ、自分を騙し続けてる黒

とても可哀想な狼です」

少なくともこの人には多少はホントのことを言っても問題は無いだろう

不動さんは狂人、愉快犯、だから自らの手で楽しみを減らす馬鹿な真似はしないだろうし

不動「ふーん？………その顔は全てわかってるって顔だな？」

貴女「全てなんて人間分かりませんよ

私が知っているのはあの子の可哀想な人生と末路だけです

狼少年は何れ誰からも信用をなくし、呆気なく一人で消えていく

彼にはまだ救いがあるといいんですがね」

不動「？………お前が救えや良いんじゃねぇか

そこまで知っておいて随分他人事見たく言ってよ」

確かに、ここまで彼の事を知っていたら救うことはできるかもしれません

ですが私にはどうしてもあの子を救うことが出来いないんですよ

貴女「それが出来たら苦労しませんよ！私が今いる立場は中立を保っています

ですが…………」

他者からのたった一つの動作でその中立は壊れてしまう

だから私はあの子を救えない

そもそも、あの子は私だけでは救えない

貴女「私の立場は中立、けどそろそろこの中立も壊れる可能性がある

私は私のこの立場を守るのに必死なんです

とても危険な立場にいますので」