表と裏。 (ページ12)

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天にぃside

ーtriggerの楽屋にてー

(天)「楽、昨日はありがと」

(楽)「おう」

(龍)「昨日2人で遊んでたの？珍しいね」

(天)(楽)「遊んでない」「遊んでねぇ」

(龍)「えっ。そうなんだ。それじゃあどうしたの？」
(とゆうか、そんなに全力でハモって言うんだね…)

(天)「九条さんが新しく連れてきた子の服を選んでもらっただけだよ」

(龍)「そうなんだ！額はセンスいいもんね！」

(楽)「そーでもねぇだろ…。それに女子高生が好む服なんかよく分からねぇよ」

(天)「それじゃあ君、何を基準に選んでたの」

(楽)「あー、あいつの希望と周りにあったマネキンを参考にしたな」

(天)(龍)「ふーん」「さすがだね！」

(楽)「おい。聞けよ龍。こいつシスコンなんだぜ」

(天)「は…？何言ってるの」

(楽)「本当のことだろ？だってよオフショル？つーのか？その服選んだら露出が多いっつって却下だぜ？どう考えてもシスコンだろ」

(龍)「へぇー。天にそんな一面があったなんて初めて知ったなぁ。やっぱり天は優しいね！」

(楽)「それはねぇだろ(笑)」

(天)「は？僕は十分優しいでしょ」

そこから2人の喧嘩が勃発したが、龍が止め仕事に入った。

(天)(今日は結構ハードだったな…明日も忙しくなりそう…)

ーガチャー

ドアを開けるとAが飛びつくようにこちらにきた

本当にびっくりした…。心臓に悪い…。何かあったのかな。

A「…っの！き…今日！………」

Aが僕らのステージを見て、こんな風に思ってくれるなんて、思いもしなかった。

もちろん、アイドルとして1人でも多くの人を笑顔にできたことは、努力が実ったということだし、嬉しいことだ。

でも、それ以上にAがこんな風に笑顔になってくれたことが嬉しかった。笑ってくれたことに安心した。

そう思った僕はAの頭をなるべく優しく撫でた。すると、今まではどこか不安げで怖がっているような目が、安心したような目になった。本当に良かった…。

「A。ご飯作ったことある？」

僕は今のAなら、ここを気を許し、安心して過ごせる場所にできるきっかけになるんじゃないかと思った。

作ったのはシチュー。いつもと同じ手順だけど、2人で作って食べたシチューは、いつもより甘く感じて、心があったまる味だった。