底辺妖怪の少女は

40話 ページ43

？「…何故…」



…でも何か違う？



髪は白くて肌は黒くて…目は赤い…。



…うん、色違いのオロチさんだ。



『…昔からいる妖怪さんはいつも驚くんだよな…。』



この桜ってそんなに有名なんだな。



？「…、」



『え、』



グッ



…えー、何が起こったのかと言いますと。



瞬間移動したんじゃないかってくらいの早さで、色違いのオロチさんが目の前に現れた。



…そしてその色違いのオロチさんは、私の首を締め始めた。



…それもかなりの力で。



めちゃくちゃ苦しいです。



『っ…、』



？「我の姿を見た者は、消す。」



…消す、か。



このまま消えるのも悪くないかもね。



…でも…



『…ま、だ…』



…ちょっと早いかな。



私にはエンマがいるからね。



？「…。」



離してくれる。



…急にどうしたんだ？



『ケホケホ…』



？「怖くないのか？」



そう言われる。



…怖い、か…。



一体何が？



？「殺されそうになっているんだぞ。」



…あぁ、そっか。



普通だったら怖いのか…。



…私って本当は普通じゃないのかも。



『…怖くないです。』



何も怖いはずがない。



…だって…



『私にとって一番怖いのは…誰にも必要とされないことだから…。』



…生きていた頃の私は…誰にも必要とされていなかった。



？「………。」

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