底辺妖怪の少女は

39話 ページ42

エンマ「おはよう。」



『…あ、エンマおはよう。』



目を覚ますと私の頭はまだエンマの肩に乗っかっていた。



『ごめん、重かったよね。』



エンマ「全然重くなかったから気にすんな。」



うっわ男前。



年は下のはずなのにずっと歳上な感じっていうか…。



エンマ「何か夢でも見たのか？」



『え…』



エンマ「目覚め悪そうだったけど。」



…そりゃそうだよ。



だって夢に見たあの“姫”は、後にオロチさんの前から居なくなってしまうんだから。



…今の夢では“姫”もオロチさんも…とても幸せそうだった。



あれだけ幸せそうだと、それが壊れたときが怖い…。



だから…ちょっと、辛かった。



エンマ「大丈夫か？」



『うん…。』



俯いていると、優しく頭を撫でてくれる。



エンマ「…あ、ヤベ！」



『？どーしたの？』



エンマ「オレそろそろ帰んねーと怒られる…。」



怒られる…って、結構可愛いな。



エンマってかっこいいも可愛いも持っているんだ。



エンマ「ごめん！今日は帰る！」



『あ、うん。またね。』



笑顔で私に手を振って走っていくエンマ。



…可愛い笑顔だな。



『ふふ。』



私もあと少し桜見たら帰ろうかな。



…その時、少し先に誰かが見える。



『…？』



…え、…あの人は…



『オロチさん…？』

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