底辺妖怪の少女は

38話　夢 ページ41

？「姫！」



…何？この声。



今誰か…姫って言った？



「なぁに？ぬらり。」



ぬらりと呼ばれた髪の長い綺麗な男の人が私の方を見て言う。



ぬらり「何故勝手に人間界に行かれたのですか!?

あれほどダメだと言ったのに！」



「え〜良いじゃん。だって私、人間好きだし。」



これは…夢？



私…夢を見ているの？



ぬらり「あなたはいつもそうやって…」



「あーもーうるさい！私、ちょっと出かけてくる！」



ぬらり「ダメです、今日一日は部屋で大人しくしていてください。」



「ぬらりのケチ〜…。」



何なの？



…夢って感じが…しない…。



ぬらり「私はこのあと仕事があるので、代わりに見張りをつけさせて頂きます。」



「えっ」



ぬらり「それでは。」



ぬらりと言う人が出ていく。



「失礼します。」



――――――――――――――――――――…え…？



「あ、私の見張りって…」



…どうして？



「私がします。」



「うー…嫌だったけどあなたなら良いや！」



「…そうですか。」



「うん！よろしくね！

――――――――――――――――――――…オロチ！」



…やっと分かった。



オロチ「はい。お願いします。」



これは夢なんかじゃない。



…オロチさんの大好きだった“姫”の過去を見ているんだ。



………“姫”の“中”から………。

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