底辺妖怪の少女は

36話 ページ39

『エンマ…？』



…今、私の頭はエンマの肩に乗っている。



…エンマが私の頭を引っ張って無理矢理乗っけたんだ。



エンマの左肩には私の頭。



…私の頭には、エンマの左手。



世間一般でいう“胸キュンシチュエーション”の上位二つ、



“肩ズン”と“頭ぽんぽん”が同時に起こっている状況だ。



エンマ「友達って、お互いが認め合わないとなれねぇもんなのか？」



『…え？』



エンマ「確かに妖怪ウォッチを持っている人間と妖怪は、“妖怪メダル”って形で絆が結ばれている。


…でも本当の友達っていうのはさ。


いつの間にかなってるもんだろ？」



…確かにその通りだ。



でも…友達の出来たことがない私にはそれが分からない…。



エンマ「簡単なことだろ？だってオレ達、友達だし。」



…え、ちょっと待って。



この子今サラリと何を言った？



『わ、私達って友達なの…？』



エンマ「A言ったろ？オレの隣が落ち着くって。」



『言った…けど…』



エンマ「友達って、一緒にいると落ち着くって言うし。」



『そうなの？』



エンマ「おう！」



…そっか。



そういうものなんだ。



『…エンマは私を…裏切らない？』



エンマ「大丈夫。オレは友達を裏切らない。」



…本当、かな。



本当に…裏切らない、かな…



…そうだったらいいな…。



『信じるからね。』



エンマ「あぁ。」



…私…エンマのこと…



エンマ「信じてくれ。」



信じたいよ…。









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