底辺妖怪の少女は

1話 ページ4

『1年半くらい…か。』



私が妖怪になってから1年半くらい経った。



…妖怪になってからは時間を感じづらくなった気がする。



妖怪になったからなのか…私自身のせいなのか…。



『どっちでもいいか…。』



妖怪になって気づいたこと。



妖怪も人間も、特に変わらない。



フウカ「大ガマも土蜘蛛も喧嘩しないでってば！」



大ガマ「大丈夫だ、すぐに終わらせる！」



土蜘蛛「…一々うるさいぞ。」



フウカ「いい加減にしろおおおお!!」



えんら「あ〜あ〜。怒らせちゃったわね〜。」



キュウビ「馬鹿だねぇ。」



オロチ「…。」



愛されるのは、上の存在。



下の奴は見向きもされない。



…見られるのは、“暇つぶし”の時だけ。



人間もそうだったし、妖怪もそう。



…何かもう、どうでもいいね。



バチッ



オロチさんと目が合う。



…え、いや、何で。



プイ



逸らす。



…どうして目が合ったんだろう。



すごく不思議だ。



『…どうでもいいけど。』



段々と投げやりになっている気がする。



…だって何もかもが下らないから。



『ふう…。』



ふと空を見上げる。



…今日は雲一つない綺麗な空だ。



『青くて綺麗…。』



空が唯一、この醜く汚い世の中で…綺麗なものだと思うんだ。



『…あの空に溶けて消えられたらいいのに。』



今の私の願い。









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