底辺妖怪の少女は

21話 ページ24

ぬらり「大王様！何処に行っていたのですか!?」



エンマ「人間界。」



ぬらり「あなたはまたそうやって勝手に…」



グチグチうるさいぬらりを無視する。



最近はよく…ぬらりに無断で人間界に行く。



ぬらり「…大王様、何故ニヤついておられるのですか？」



エンマ「ニヤついてる？」



ぬらり「はい。」



…今日のA、何かいつもと違った。



最後とか名前呼んでくれたし…。



エンマ「花を咲かせる妖怪がいてさ。ソイツと仲良くなったんだよ。」



ぬらり「…そうですか。」



今の一言で分かる。



オレが伝えたいことの全てが…。



エンマ「あの思い出の桜、近い内に見に行こうぜ。」



ぬらり「ですが…あの桜は、もう…」



エンマ「咲かせてくれたんだよ、Aが。」



そう言うと、嬉しそうな顔をした後悲しそうな顔をするぬらり。



ぬらり「…奴らがあの木に何もしなければいいのですが…。」



エンマ「それだけはオレがさせねぇ。」



真相は伝えられない。



…それでも、あの木だけは守る。



エンマ「…。」



それにしても驚いたな。



…Aの手を握ったとき、すごい衝撃が走った。



それはまるで…“アイツ”の力のようで…。



…AがＥランクっての嘘なんじゃねぇかな。



エンマ「力が発揮できていないだけ…か。」



だとしたら…あのままの方が良いんじゃねぇか？



…もしAが…本当の力に気付いたら…



…オレは、Aを失ってしまいそうな気がする。



エンマ「…気付かせないようにしねぇと。」



…オレは…もう……大切な存在を失いたくない。









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Aを人間姿にしたのはエンマです









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