2話:自己紹介 ページ4
-you side-
「あ、そう言えば名前言ってなかったよね。
でも悠くんとか桐絵とか玉狛の人たちがある程度説明しちゃったかな〜？」
そこの可愛い女の子が言ってるけど、と付け足すと、やっぱり女の子は驚いていた。
だって喋ってないもんね、そりゃあ驚くよ。
と、1人で納得していると、女の子が口を開いた。
「なんで私喋ってないのに考えていることが分かるんですか？」
「んーと、そういう能力なの。
僕の、サイドエフェクト。そういう能力なの」
あれ、言ってなかったの？
と悠くんに聞くと面白そうだから言ってない、らしい。
悠くん酷いねー、言っちゃえば良かったのに。
「僕は、A級でソロで動いてる柏木Aって言います。
僕のサイドエフェクトで考えていること全部バレちゃうから〜
これからよろしくねぇ〜
修くん、遊真くん、ヒュースくん、千佳ちゃん」
一人一人目を見て名前を呼べば驚かれた。
これは"心を読んだ"んじゃなくて、前に桐絵と電話した時に聞いた事。
ただ、ヒュースくんを除く3人は結構前から有名になってたから知ってたけど。
壁に穴あけるわ、風間さんと(24敗してたけど)引き分けするわ、Ｃ級が駿に勝つわ…
そりゃ有名になるわな、うんうん。
「それにしても悠くん、急にみんな連れてきてどったの？
なんか僕に用なの？」
「いや、ただAに会わせたかっただけだよ。
みんなAのこと知らなかったみたいだし」
ふーん、と言ってチョコを頬張る。
あ、このチョコ美味しい。今度買いに行こ。
「あれ、Aいんじゃん。
お前ここいるの珍しいな」
「あっ、A先輩だー！！
ねぇねぇ、ソロ戦やろーよ！！」
「おい緑川、俺が先だ！」
抜け駆けすんな槍バカ！などとワイワイ言い争っているのは、"A級３バカ"の3人。
同級生の公平、陽介、そして犬みたいな駿。
「あ〜…
一気にうるさくなっちゃったねぇ…」
「お、よーすけ先輩とミドリカワと…？」
「出水先輩だ」
「ん？メガネくんたちじゃん」
「あっ！迅さんもいる！！」
うーん、騒がしいな。
周りの人みんな僕たちを見てるじゃん。
「…チョコうま」
「「なぁA！！」」
「A先輩は俺とやるんだよ！！」
「うるさい離れて」
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作者名：みおう | 作成日時：2019年6月29日 13時
