春は生まれ変わりの季節2…gr ページ48
確かにここで住んでいいとは言ったが。
もちろんAの部屋だって用意した。
一人で寝るのが怖いなら誰かと一緒に寝てくれてもいいとも言った。
なのに何故だ。
『グルお兄ちゃんといっしょにねちゃダメ…？』
何故だ。
ドアを少し開けて覗きながら首を傾げてダメ…？と聞かれたら断れないだろ。
gr「…あぁ、いいゾ。こっちこい。」
『ほんと？グルお兄ちゃん大好きー！』
やっぱり、喜ぶ姿はあいつとそっくりだ。
好きな物も、好きな食べ物も。
何もかも一緒。
こんな偶然ってあるんだな。
gr「じゃあ、電気消すゾ。」
『うん…』
いつもなら全部消すが、今日はAがいるから豆電球にした。
布団に入ってからAはウトウトしていた。
ここに来てからいろんなことがあって疲れたんだろう。
『…お兄ちゃん。』
gr「ん？どうした。」
『なにか、おはなしして…。』
しずかなの、イヤ…、と言うAに、そうか、ゴメンな。と言いながら何を話そうか考えた。
何か話してと言われても話す話題がないんだよな…
あぁなら、あいつの話でもしようか。
どんなに似ていたって、あいつとAは別人なんだ。
未練がましいと言われてもしょうがない。
今は、誰かに、聞いてほしいんだ。
gr「なら、そうだな…
とある人の話をしよう。
その人はな、女の人だ。
笑顔が可愛くて、何をしても子供のように喜んでくれるんだ。」
隣で眠るAをチラッと見るともう寝そうだった。
なら、何言っても聞かれないよな。
gr「俺とその人は付き合っていたんだが、
結婚する前に彼女が亡くなってしまったんだ。
彼女が行きたいって行っていた所に連れて行ってあげることができなかった。
好きだって、愛してるって、もっと言ってやれば良かった。
…っ…今更、後悔しても遅いんだがな…」
隣のAは気持ち良さそうに眠っていた。
そんなAの横で静かに涙を流す。
大先生はそんなことないって言ったが、やっぱりまだ立ち直れていなかった。
腕枕をしている手と逆の手でゴシゴシと涙を拭った。
gr「…お前は、Aみたいだな。
こんな怖い俺の傍に来て、一緒にいてくれるなんてな。
ありがとう、小さなお姫様。
こんなどうしようもない俺を救ってくれて。
…おやすみ。」
眠っている小さな姫の額にキスをする。
どうせなら、あいつに言えなかったこと全て伝わればいいのに。
そう思いながら眠りについた。
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我々だ大好き(プロフ) - コネさんの大好きな歌なので感動しました…！ (2019年6月24日 17時) (
レス) id: c0892606ed (このIDを非表示/違反報告)
月 - シャオロンのやつがなぜか泣けた！ (2019年5月25日 20時) (レス) id: 235ab58054 (このIDを非表示/違反報告)
みおう(まふそら)(プロフ) - 仁菜さん» ありがとうございます！！この作品でそう言ってもらえるとは思っていなかったので凄く嬉しいです！更新速度は亀よりも遅いですが、これからも頑張ります！！ (2018年12月10日 1時) (レス) id: 3b075dcde1 (このIDを非表示/違反報告)
仁菜 - すごく好きです泣きました (2018年12月9日 0時) (レス) id: 579ea2128a (このIDを非表示/違反報告)
仁菜 - すごく好きです泣きました (2018年12月9日 0時) (レス) id: 579ea2128a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みおう | 作成日時：2018年9月30日 22時
