Hug me !!【北 信介】

Hug me.12 ページ12

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「あの、北先輩。」




私が北先輩と接したのはあの1度きりで。まぁ覚えてなくても仕方が無いよね。

もしかしたらこんなにジェントルマンなんだから、毎日のように転び掛けた女の子を助けているかもしれないし。
なんなら男の子も助けているかも。



でもやっぱり覚えてないのはショックだよ。






「Hug me!!です!!北先輩!!!」


「えっ。」




馬鹿なこと言ってるってわかってるよ、だって私馬鹿やもん。


でも、もしかしたら思い出すかもじゃん。



私の体温とか、無いけど胸元の柔らかさとか!!!その他諸々!!!





「カモン、北先輩!!お願いします!!!」


「そないなこと言われても...」


「ええやん北さん。女の子がお願いしてるんやで?」




思いもよらぬ人物からフォローされて少し驚く。


けれどその言葉で、北先輩は少しだけ肩を動かした。

もう少し押せば...!!!いける!!!



今だけはありがとうアツムサン!!!





「北先輩、ダメですか?」


「...一回だけやで。」




渋々と言った様子だったけれど、なんとか了承をいただけた。
本当はよっしゃあ!!!と叫びたいけど、そんなはしたないこと北先輩の前では絶対しない。


なにはともあれ、私の渾身の上目遣い(またの名を白目)が効いたということだろう!!!






「じゃ、じゃあ...失礼します...」




やばい、強請ったのは自分なのに緊張する。

ドキがムネムネ...ムネムネ...


でもきっと、ハグすれば思い出してくれるはず!!!
いきますよ、いきますからね北先輩!!!




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