Hug me !!【北 信介】

Hug me.24 ページ24

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放課後が待ち遠しかった。

だからいつもはダラダラ受ける授業をめちゃくちゃ真剣に聞いたり、与えられた課題を高速でやりまくったり、とにかく早う時間過ぎれ!!と思いながら過ごした。

別にだからって時間の流れる早さが変わるわけでもないけれど、なんとなく気持ち的に。

後々になって無意味なことをしてしまったと思ったけれど今日の授業態度があまりに良くて先生に褒めちぎられたのは素直に嬉しかった。



「どれもこれも北先輩のおかげやなぁ。」



今、とてつもなく自分は幸せ者だと思う。

それはやっぱり私の中に北先輩という存在が現れたからで。


恋をすると、世界の全てが美しく見える。


その言葉は大袈裟に聞こえるけれど、あながち間違ってもいないかもしれない。こういう感覚的なことはやっぱり実際になってみないとわからないと思う。




「北先輩に会える。」



体育館の扉が見えてくるとその気持ちは一層高まった。


隙間から覗く練習着とか聞こえてくる掛け声とか、その中の1人に北先輩がいると思うとテンションが上がる。



小走りで向かった先では既に数人のギャラリーが集まっていて、図々しいかなと思いつつなるべく近くで見れるように前の方へ向かった。


端から端まで目を流しつつ北先輩を探す。途中アツムサンと目が合って思わず顔を顰めてしまったがそんなことを気にしている場合ではない。




「あっ、北先輩...」



やっと見つけたのは端の方でテキパキと作業をする北先輩の姿。


銀くん情報で判明した「キャプテン」という称号はまさに相応しい。派手な魅力というよりは静かなるドン的な。



宮兄弟を応援する声が聞こえてくる。それでもやっぱり私には北先輩しか目に入らない。





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