私は貴方に愛されたい (ページ13)

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13.鳴らない携帯ページ13

you'r side

「辰哉くんは、辰哉くんは突然私の前からいなくなっちゃったんです。」

渡「突然ってなに、全然わかんないんだけど。」

「私にだって分からないです。突然3年前に……」

past

そう。あれは3年前の4月。忘れもしない。はっきりと覚えている。

1年先に卒業していった辰哉くんは大学に通っていて、
私も後を追うように卒業して、専門学校に入った矢先のことだった。

初めての慣れない専門学校という場にいる私はとても緊張していて、そんな気持ちを紛らわしたくて辰哉くんに連絡したんだ。

Aねぇ、どえしよう。本当にめっちゃ緊張するんだけど。

A助けて心臓バクバクして死んじゃうよ

当然すぐ返ってくる訳もなく、まぁそうだよな辰哉くんだもんな、いつもの事だよなと思いつつ、内心はなんでこんな時に彼女を励ましてくれないものかと溜息をついた。

でも、そのあとも何時間も連絡が返ってこなくて
結局家に帰って次の日の支度をしていたけれど、それでも連絡はなくて気になって気になって寝れそうにないから
いつもならしないけど連絡をしてしまった。

Aどうしたの?なんかあった?

それでも返ってこない。そんな事ってある？と思いながら電話もかけてみた。

でもその日のうちに連絡がかえってくることはなくて、

いつの間にか日時も変わって胸騒ぎがする中、もしかしたら疲れて爆睡してるだけかもしれない。とか携帯が壊れちゃったのかもしれないとかそんなことを考えて現実逃避しながら
寝て起きたら連絡があることを願って眠りについた。

でもやっぱり連絡が来ることは無かった。

専門学校は単位が厳しいから学校を休むこともできないし、

気が気じゃないけど重い足取りで学校に向かった。

辰哉くんがもしどこかで事故とか事件に巻き込まれてたらどうしよう。

嫌なことが次々と頭に浮かんで

Aねえ
Aどうして連絡してくれないの?
Aなんかあったの?

また追って連絡をしてみても返ってこない。

だから学校が終わったその足で辰哉くんの家に向かうことにした。