ただ・・・好きなだけ。 (ページ2)

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神宮寺レンページ2

休み時間。廊下を歩いていると、いつも聞こえてくるうるさい黄色い声。そして、
毎回絶対聞こえてくる単語。

『神宮寺レン』

という人の名。

―――春―――
入学したての私。新しい生活、学校、すべてが新鮮に感じる。

あいつに会うまでは。

そう。幼馴染のあいつ。『神宮寺レン』に・・・

朝。あいつは、御曹司らしく優雅に登校。そして、教室に来るや否や、

「A。おはよう。」

といって、隣に来る。別に私は構わないのだが、ただ単に周りの女子がうるさい。

そんな私とあいつにとっては平凡な日々だったのだが、1ヶ月くらい経った日のこと、

私たち女子の間でこんなうわさが広がっていた。

「レン様がさ、彼女作ったらしいよ」

頭の中が真っ白になった。なぜか胸の奥が閉まるような気がした。なぜか、涙がこぼれた。

「Aどした？どうして泣いてるの？」

突然友だちにそういわれた。
「あっ、ごめん。ちょっと目にゴミはいっちゃって。少し顔洗ってくるね。」

ありがちの理由だったかななんて思いながら、私はそう言ってその場をたった。

それからの日々、私はできる限りいつも通りあいつに接した。その中で一番気になったこと。それは、なぜか前より君の私に対する対応が変わったこと。

前までは、ただ肩を組んだりとか、一緒に帰ったりとかだけだったが、抱き付かれたり、手を無理

やり繋がされたりとスキンシップが激しい。

なので、とても疑問に思ったし、彼女さんにカン違いをされたくなかった私は、勇気を振り絞って

聞いてみた。

「ねえ、レン。彼女さんのこともっと考えてあげたら？」

少しの沈黙。かえってきたのは、あいつの間抜けな『は？』と、言う声。

「ぇ？レン彼女いるって・・・」

「いや、いないけど。てか、他に好きな人いるし。…ね、A。俺さ、お前のこと、前から好きだ。ちっちゃいころから、ずーっと、言葉じゃ言い表せないほど・・・」

真っ赤になったレンの顔が、私の脳裏に焼き付く。と、ともに頭まで血が上るんじゃないかって

くらい、私の顔も赤くなる。

「ね、返事きかせてもらってもいいかな。」

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私と彼との物語。甘酸っぱい物語。