保健室の眠り王子

質問王子 ページ3

「お前、名前は?」



「…え?」



名前を尋ねられた。


これから考えられる相手の考えは、次の2つの内のどれかだろう…1つは脅迫、もう1つは恐喝される…何方に転んでも終わりしか見えない。



「答えらんないの?」



答えたら嫌な予感がするんだよ、王子様。


嫌な予感がするんだけど…そんな綺麗な顔で見つめられたら、【答えない】なんて出来ない!



「…坂木です。」




…あ、終わったなぁ、私。




さて、脅迫かな?恐喝かな?私の運命は何方に転がるのだろう…そんなことを考えながら、私は溜息を吐く。



「1年?」



「…は、はい。そうですけど…」



ジッと品定めをするように私を見つめる目…海のように深い青色の目に、取り込まれてしまいそうだ。


美形に見つめられると、めちゃくちゃ緊張するんだけど…王子様は一体何を考えているの?


私は少し身を身を強張らせて、『警戒してます』アピール。



「よく此処に来るの?」



「…答える代わりに、私も質問します。貴方の名前はなんですか?」



質問を続けようとする王子様、でも私は質問には答えない…その代わりに、今度は私が質問をする。



「白雪 黒江、学年は2年。」



学年は聞いてないけど…2年なんだ、大人っぽい雰囲気だから、てっきり3年かと思った。



「はい。質問に答えたから、今度はお前が俺の質問に答えてよ。」



あ、えと…質問はまだまだ続くんだね、王子様。

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