冷たい夫婦

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警視庁からだいぶ離れたところにあるその店は小ぢんまりとしていて人けがあまりない。店の人に事情を説明すれば、記録やらなんやらを持ってきて話してくれる店員さん。





私が思った通り、この短期間で同じ物を二本購入した人がいた。生憎店内に防犯カメラは設置されていなくて、顔までは断定できなかったが刃物を購入した際の記録にサインがあり苗字が特定できた。サイン欄にはカタカナで『キサラギ』と書かれていた。






時計を見れば、20時になっていて辺りは真っ暗だった。『キサラギ』を探すのは明日にしたほうが良さそうね……。店員さんに「ありがとうございました」とお礼を言い店を出た。






「佐藤ちゃん送っていく。暗くなっちゃったから。」




「ありがとうございます。」



車に乗り佐藤ちゃんを家まで送り届けた私は、牛乳をきらしていた事を思い出しコンビニに立ち寄った。





コンビニというのは、美味しそうなデザートが沢山並んでいてどうしても欲しくなる。誘惑に負けた私は牛乳と珈琲プリンを二つ買って店を出た。






片手に持った袋を見ながらまたやってしまったと後悔するのは毎回の事……。コンビニの珈琲プリンは甘すぎるものが苦手な私や陣平似も甘さが控えめで丁度いいのだ。だからついつい目に入ると買ってしまう。






今日の仕事は終わった、と一息つき車に乗ろうとした時真っ暗な公園の方へ走って行く女性にパーカーのフードを被った長身の男。





警察官の勘なのか嫌な予感がした私はこっそり走って跡を追いかけた。






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