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朝起きてポストの中を覗けばそこに入っていたのは一通の手紙。送り主の名は伊達航、ナタリー・来間だった。




手紙を開けて見れば内容は結婚式を挙げるというもので自然と顔が綻んだ。結婚式を挙げると聞いてからかれこれ一年経っていて時間が経つのはあっという間だ、と少し年寄りくさい事を考える。



「陣平、伊達たちから結婚式の招待状が届いた。出席でいいよね?」



「んなもん出席に決まってんだろ。」


寝起きなせいか少し荒い口調で答えた陣平。口調が荒いのは元からだったが寝起きは更に酷いのだ。初めて聞いたときは驚いた。
その後も少し文句を言いながら朝の支度をする陣平を見ながら私は早速、返事を書いた。




警視庁に行く前に郵便局によってもらい返事を出す。再び車に乗り込んで横を見れば車のハンドルを握って運転する陣平。





なんと言うか、こう何度見ても慣れない真剣な横顔に私は毎朝ドキドキしている。流石に家の中では外しているサングラスも車の中ではつけていて車内で目が合うという確率はほぼ無いに等しい。ましてや運転中なのだから。だから私は、一緒に登庁する時は前では無く横を見る。




「お前、車に乗ってる時って前見ねーよな。」



不意に聞かれた事に思わずドキリとしてしまう。気付いていたのか……。確かに普通より感覚が鋭い人ではあるけど、運転しながら気付くなんて……。私だって一応警察官な訳で人に勘ぐられないように見張ったりするくらい余裕にできる。今回ばかりは自分の未熟さき少し落ち込んでしまう。





「そんなつもり無いんだけどな……。」




「バレバレだっつうの。」




苦し紛れに誤魔化してみるものの全くもって効果なし。挙げ句の果に鼻で笑われる始末。




「そんなに良いもんか?」




「良いものね。」




言われっ放しは嫌だった為素直に口に出せば耳を少し紅くしていた陣平が居た。




「バッ、こっち見るんじゃねえ。」




その声は嫌がっている割には優しくて、また新たな一面を知った気がした。







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明里香(プロフ) - 35話、意識は底でじゃなくて、意識はそこでです。 (2022年9月10日 20時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
藍愁(プロフ) - 明里香さん» 教えてくださり有難うございます。修正しました。 (2022年9月10日 11時) (レス) id: be748264db (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 35話、ただなだけすをって何ですか。 (2022年9月7日 23時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 25話、いらっしゃら無いじゃなくて、いらっしゃらないです。無いと漢字にはしません。いらっしゃらないで一単語です。 (2022年9月7日 23時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 21話、必要なは無いからじゃなくて、必要は無いからです。 (2022年9月7日 22時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2022年1月28日 17時

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