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Aが警視庁に戻ると千葉、高木、佐藤の3名が捜査一課のパソコンで『警視庁警察学校卒業生名簿』でフルヤレイという人物を調べていた。
「だめね、Aちゃん知らない?松田くんと同期らしいんだけど……」
「知らないわ。」
何度検索をかけてもデータは零。それもそうだろう彼は警察庁のゼロに所属しているのだから。Aは知っているという顔をしながら「知らない」と嘘をつく。
佐藤が詰め寄ろうとした所に包帯を巻いている男が現れた。
「佐藤警部補、高木巡査部長、西宮警部補にお話があります。」
「あなたは確か……」
「警視庁公安部の風見です。」
話の内容は捜査から手を引けというものだった。佐藤は納得できなかったらしく公安部に乗り込むと言い出した。一方高木は、自分では佐藤さんの隣に立てない、やっぱり佐藤は松田のことをまだ好きなのでは無いかと軽い嫉妬をかましている。
白鳥がそれをフォローする場面を見ていたAは世話の焼ける先輩達だと思ったのだった。
何故今更彼奴が動き出したのか、自分のデスクに座りながら考えても答えの出ない悩みが頭をぐるぐる駆け巡る。
気付かぬ間に外は薄暗くなっていて帰ろうとAは席を立った。
「高木くんのお嫁さんになっちゃおっかな。」
割と大きな佐藤の声が聞こえAはぎくりとする。見つかれば気まずい雰囲気が流れるだろうと思い気配をなるべく消して静かに部屋を出ることに集中した。
はぁ、と溜息を付きながら警視庁の扉を押して外に出れば待ち構えていたスーツの男達。
「やめてよ昼間からコソコソ付けてたのバレてるからね、何?降谷さんの所に連れてってくれるのかしら?」
不敵に笑うAの姿はとても綺麗だった。車に乗るように促され座席座れば黒い布を渡された。これから行くのは場所までは知られたくない所らしい。Aは大人しく目を隠し車に揺られていた。
「降りろ。」
シートベルトを外され車から飛び降りれば男に俵担ぎされるA。あまりに乱暴なその行動にキレそうになるがその感情を抑え込んだ。
「歩けるわよ。降ろして。」
男はAの言葉を無視してそのまま進み続けた。しばらく歩いたところでAは降ろされた。どうやらエレベーターの様で下へ下へと降りていく。止まることを知らないのかと、言いたくなる程に地下へと進んでいった。
ようやく止まったエレベター。Aは目隠しを外され1歩前に出た。
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ユナ(プロフ) - 素敵なお話をありがとうございます!!更新がんばってください!!! (2023年2月2日 18時) (レス) id: 8b44c4626c (このIDを非表示/違反報告)
藍愁(プロフ) - 明里香さん» 教えてくださり有難うございます。修正しました。 (2022年9月10日 11時) (レス) @page6 id: be748264db (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 14話、大丈夫かですかじゃなくて、大丈夫ですかです。 (2022年9月7日 23時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 12話、手をれたじゃなくて、手を入れたです。 (2022年9月7日 23時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 7話、無くなりましたじゃなくて、亡くなりましたです。 (2022年9月7日 23時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:壱 | 作成日時:2022年5月1日 22時