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暫く経っても松田が女を連れ込んだような形跡も無くホッとしていた日々。私のスマホに一通の電話がかかった。




「久し振り、Aさん、今度のパーティー旦那さんも連れて来てくださいよ。」






『久し振り、嬢ちゃん。』




「もう、ちゃんと名前で呼んでって何回も言ってるでしょ。」



小さい頃の癖で『嬢ちゃん』と呼んでしまえば電話越しに声を張り上げて少し怒った彼女。それがまた可愛くて微笑ましい。





『ごめん、ごめん園子。悪いが私の旦那は来ないよ、パーティーには私と親父が来る。』




「えぇ〜。何で来ないんですか。」




『来ないんじゃなくて、来れないんだよ。』





何とか言い訳を探そうと言葉を巧みに繋げるが変な所で感の鋭い園子の事だから内心ヒヤヒヤしている。




「誰が来ないんだ。」



『げ、陣平向こう行ってて。』




園子に聞かれるとまずいので松田を名前で呼んで遠ざけようと考える。するとあいつは悪戯心が芽生えたのか私にグイグイ近付いてくる。




「えっ、Aさんの旦那さんて松田刑事だったり……。」




バレた、面倒くせぇ。しかも何で警察と面識あんだよ嬢ちゃんは。「馴れ初めは?どっちがプロポーズしたの?松田刑事が何時もナンパ断ってたのってAさんが居たからなのね。」電話越しにひとり騒ぎ出した園子。ここで相手をしているときりがないから私は電話を切った。





『ごめんな。園子。』



「で、お前何に行くんだ?」




『パーティー。親父がお前を紹介するつって開こうとしてんだが止められなくてな。仕方無く行く事になった。お前は仕事だと言っておくから安心しろ。』







「別に行ってやってもいいぜ。」





『いや、大企業の社長の娘よ私。しかも会社継がずに探偵業。メディアも騒いでるんだ。此処で発表なんかされたらお前遊べなくなるぞ。それに離婚できなくなる。』





「離婚なんかする気ねぇよ。」



ぽつりと松田が呟いた。




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たぬき - クローゼットになおしたは方言かと… (2023年3月28日 11時) (レス) id: 8598ef157b (このIDを非表示/違反報告)
藍愁(プロフ) - 教えてくださり有難うございます。修正しました。 (2022年9月10日 11時) (レス) @page17 id: be748264db (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 24話、自分のの事じゃなくて、自分の事です。 (2022年9月8日 7時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 19話、パティーじゃなくて、パーティーです。 (2022年9月8日 6時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 18話、借りにもじゃなくて、仮にもです。 (2022年9月8日 6時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:藍愁 | 作成日時:2022年4月22日 16時

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