条件夫婦【松田陣平】

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『何でだよ。』



「食器。買いに行くんじゃねぇのかよ。」


『よろしく。私家で洗濯してるから。外に出て働くのは爺さんの仕事だろ。』



「誰が爺さんだ。それにお前の方がセンス良いだろ。」



嘘だろ、何で松田にしれっと褒められてんだよ気色悪い。まぁ変のもの買われるよりいいか。ったく……契約結婚つっても周りに内緒だと面倒くせーな。





『んじゃあ行くか。』





仕方無しに出掛ける準備をした私だが松田がグラサン掛けるとか聞いてねぇよ。被るじゃねえか。





『おい松田、グラサン取れよ。』



「嫌だね。」




糞、分かってたけども、ダメ元で言っただけだがあっさり否定されるとムカつくもんだ。しゃーねぇ此方が取るかいや、それもそれで……。まぁオソロよりマシか。




私は、掛けていたサングラスを取って下駄箱の上に置いて家を出た。













『おい、コレ良いんじゃねぇか。嘘だろ何で同じもん持ってんだよ。』




店に入って良い感じのお皿を見つけたと思い松田の方を向けばその手には私と同じものが握られていた。今日だけで被ったのが2回……。何だ？私等気合うのか？





変な突っ掛かりが無けりゃワンチャン仲良くなったりして……。




自分で考えていても乾いた笑みが溢れてくる位の馬鹿馬鹿しい想像だ。







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