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「あっ、A居た居た。待った?」
「いや、今来たところ。」
公園のベンチに座って待っていた私を見つけ走り寄ってきた研二の後ろに見える男の影を見ながら答えた。
男は私の姿を見るなり、ぎょっとした顔をして研二を見た。
「てめェ会わせたい奴って女かよ。」
「まあまあ、そうカッカしなさんな。」
怒鳴り散らかす男を研二は一喝し、私を紹介してくれた。
「彼女は俺の従兄妹で今世間を騒がせている人気作家の「瞳」なんだ。それで陣平ちゃんにそのお手伝いをして貰いたいなぁた思ってさ。頼まれてくんね?」
「“あ”」
返ってきた返事は一言と言うより一文字。ドスが聞いていたことを考えると嫌なのだろう。まぁ、此方としてもいくつか策はあるから焦る必要はないのだが……。
横を見ればそそくさと帰ろうとしている研二。待てと声を掛けるも用事があるから後は二人で何とかして、と帰っていった。そこまでは良い、でも私は研二からこの男の名前を聞いていない。確かさっき、陣平ちゃんって言ってたよな。
「陣平さん、私とお話しませんか。」
「するわけねぇだろ。」
「話を聞くだけでいいからさ。全部聞いて嫌だったら帰っていいさ。」
なんやかんや言い争いをした結果近くにあった喫茶店まで連れてくることができた私はホッと一息ついた。嫌だと言いつつ帰って行かないところを見ると案外優しい奴かもしれない。
アイスコーヒーを二つ頼み私は話を始めた。
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作者名:藍愁 | 作成日時:2022年2月21日 11時