検索窓
今日:2 hit、昨日:0 hit、合計:323,958 hit

もしもの話【ky】 ページ42

.



雨の音が聞こえるはずなのに
そんな音なんて一つも聞こえなくて、





俺の荒い息遣いと
パシャパシャと足が水を弾く音しか聞こえない。






赤く建物の名前を照らす。





勢い良く病院へ俺のみが流れ込む。






「205号室…」




息を切らしながらも、その病室を探す。







「A!」




勢い良く205号室に入れば、
医者と看護師が病状を確認する。






『キヨ…くん…』




小さく聞こえた声。

俺の耳にははっきりと届く。






愛しい彼女が寝るベットへ近づく。
細くなった手を握れば、




壊れてしまいそうだ。





「A!A!」



『…キヨくん…聞こえてるよ?』





微かに笑うAは
元気であると表そうとしている。





『キヨくん…もしもさ、

もっと私と一緒にいれたら?』







一筋の涙を流してこちらを見るA。

指で涙をすくおうとすると、






俺の顔にAの手が触れる。





『キヨくん、泣かないで?

私、キヨくんの笑顔が、好きだから。』





ブワッと気持ちがこみ上げる。





心臓音を表示していたモニターが
赤く点滅し始める。









なにが起こっている。







引き離されてしまう俺たち。






「おい!やめろ!」






『キヨくん…好きだったよ…。』







離れた手。















.








『って、なったらどうする。』




「いや、ほんとになったらやべえよ。」





右足にグルグルと包帯を巻かれている
Aは元気そうにケラケラと笑っている。






その話を笑って話す彼女が

元気であることに安堵する。






Aが居なくなったら…?






『キヨくんは私が居なくなったら死にそう。』



「元気に生きるわ、ぼけ。」






たぶん辛くて、生きる意味が

なくなってしまうかもしれないな。









「大事にしねぇとな。」






頭を撫でる。







『ん?うん。』





どういう意味か分かっていないようだった。


−−−−−−−

結果小説は元気なものを書きたいと言うことです。

気づくない【hr】→←切りました【hjm】



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (204 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
294人がお気に入り
設定タグ:彼女 , 恋愛   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ポン酢?@キヨ厨(プロフ) - 桜田さん» なるほど!今も頑張ってください! (2017年5月7日 15時) (レス) id: 9bf6721f22 (このIDを非表示/違反報告)
桜田(プロフ) - ポン酢@キヨ厨さん» コメありがとうございます!めっちゃ懐かしい作品読んでいただきありがとうございます(^_^)この頃はあんまり死ネタ好きじゃなかったんだと思います… (2017年5月7日 15時) (レス) id: 20ab6aeafe (このIDを非表示/違反報告)
ポン酢@キヨ厨(プロフ) - キヨのもしもの話で、泣いた のに最後( ˙-˙ )真顔になった。やられたわぁぁぁぁあ (2017年5月7日 12時) (レス) id: 9bf6721f22 (このIDを非表示/違反報告)
桜田(プロフ) - こうちゃさん» コメありがとうございます!次の作品でもアイクさん作品新しい小説でも書いていこうと思います! (2017年1月27日 18時) (レス) id: 20ab6aeafe (このIDを非表示/違反報告)
こうちゃ(プロフ) - アイクさんかっこいいです!^_^ (2017年1月27日 17時) (レス) id: b4b06d48d8 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:桜田さっちん。 | 作成日時:2016年8月12日 7時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。