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ツンツン【ky】※黎譁様リク ページ27

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窓を開ければ一つの風が入った。

桜が散り、教室にも桜が1,2枚舞い込んでくる。



学校の敷地内には学生が溢れかえり、
写真を撮ったり、花束を渡したり、


…好きな先輩に思いの丈を伝えたり。



卒業式とはそんなもんだ。



その光景を見下ろす私。

先輩とはそんなに仲が良くなかった私。

思い入れはない。







『お前何やってんの?』


誰の声かと思った。

「あれ、キヨさん、なんでいるんですか?」



私の唯一仲が良かった先輩キヨさん。

購買で売っていた最後のパンの取り合いになり
それ以降仲良くなってしまった。

多分その一件が無ければ
交わることのなかった人。




唯一私が好きになった人。



『俺、お前のこと探してたんだけど。』


そう言って私隣に座るキヨさん。



『なぁ、俺卒業するんだわ。』

「そんなこと知ってますよ。」

わざと素っ気なく返してしまう。



『最後くらいさ、




優しくしてくれねぇの?』



私の方を向き、私の手を取る彼。


「…何の真似…?」


『俺さ、お前のこと好き。
購買で会った時、別にパン欲しくなかった。



Aと喋る口実が欲しかっただけ。』



私の目を見て、珍しく私の名前を呼ぶ彼。


「…そう…か。」


反応に困る。私も好き。そう伝えたい。



『…あー、もう手遅れだったか!』


困らせちまって悪りぃな!


私の手を離し、ヒラヒラと手を振りながら、
教室を出て行こうとするキヨさん。



「ちょっ…待って、くださ、い。」


足を止めるキヨさん。


近寄り、制服の袖をぎゅっと掴む。


「私も、好き、です。」


前の方から、大きな溜息が聞こえた。

『…お前さ、袖掴むとか、ツンデレとか
そんなキュンキュンすることばっかり
するんじゃねーよ。』


そう言いながらも、抱きしめられる。




『離れ離れになるけどさ、大丈夫だよな。』


確認するように、言葉を並べる。

「…わかりません。」



『そこは大丈夫って言うんだよ、ぼけ。』



私の肩に手を置いて顔を近づけるキヨさん。


唇が触れ合う。




(あの時キヨさんが言ってくれて良かったよ。)
(お前から絶対言わねぇもんな。)
(男から告白するもんだよ、普通。)
(あぁもう、うるせえなぁ…。)



−−−−−−−

キヨも年下彼女もツンツンデレな感じが
とても書いてて、好きでした(^O^)

反則退場頂きたい【rtrt】→←朝の香り【rtrt】



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作品ジャンル:恋愛
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ポン酢?@キヨ厨(プロフ) - 桜田さん» なるほど!今も頑張ってください! (2017年5月7日 15時) (レス) id: 9bf6721f22 (このIDを非表示/違反報告)
桜田(プロフ) - ポン酢@キヨ厨さん» コメありがとうございます!めっちゃ懐かしい作品読んでいただきありがとうございます(^_^)この頃はあんまり死ネタ好きじゃなかったんだと思います… (2017年5月7日 15時) (レス) id: 20ab6aeafe (このIDを非表示/違反報告)
ポン酢@キヨ厨(プロフ) - キヨのもしもの話で、泣いた のに最後( ˙-˙ )真顔になった。やられたわぁぁぁぁあ (2017年5月7日 12時) (レス) id: 9bf6721f22 (このIDを非表示/違反報告)
桜田(プロフ) - こうちゃさん» コメありがとうございます!次の作品でもアイクさん作品新しい小説でも書いていこうと思います! (2017年1月27日 18時) (レス) id: 20ab6aeafe (このIDを非表示/違反報告)
こうちゃ(プロフ) - アイクさんかっこいいです!^_^ (2017年1月27日 17時) (レス) id: b4b06d48d8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:桜田さっちん。 | 作成日時:2016年8月12日 7時

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