彼女には１つの秘密がありました。【ky】

秘密28 ページ28

騒つくカフェ、何回来ても良いところ。
一緒に来てる人以外は。

「ほんでな、」

話をする私。
前に座るのはサトさん。


『うんうん。』






.





あぁ、笑ってる、笑ってるわ。


私がサトさんのこと




嫌いだなんて知らんと、ね。



「…まぁ、このカフェも元彼ときたんやけど。」




そうケラケラと笑えば、少しの驚いた顔。
なんでこんなにも人をすぐに信じるんやろね。



嘘やって、何処かおかしいとか
本当？って疑えばええのに。




「あ、そうや、サトさんさ、
今好きな人とかおる？」

真実を知りたかった、ただそれだけ。
相手がキヨさんか、どうか。



『…うーん、まぁ、』


言おうか、言わんまいか。
迷ってるなぁ、早よ言えば楽になるんやで？




「あー、その顔はおる顔やなぁ。」



その私の言葉に耳を赤くするサトさん。
だって、ほんまはわかってるもん、ね。







.






「誰なん？教えてや。」


『…私のこと、好きじゃなくなっちゃう
かもしれませんよ？』


「…そんなんわからんやろ？」




もし、今も好きじゃなかったら…？
そんな頭で考えた言葉は口に出さなかった。
出す、必要もない。








.





『…キヨさん、いや、
キヨくんと付き合ってます。』




的中。




嫌な気しかせぇへんなぁ。
アホやなぁ、サトさんは。




「そう、応援するわ。」





.





腹を立てながら笑い、祝福した。
つもりにしておいた。

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