winter146 魔法をひとふり ページ49
★オビside
そこには、一通のメッセージカードと、
一輪の花が置いてあった。
この花は確か…カーネーション。
彼女の腕に咲いていたこの純白には見覚えがあった。
手に取ってみる。
“覚えてる？私は白雪に嫉妬して、馬鹿みたいに泣いて……あなたはそんな私を好きだと言った。
その時の私、一体どんな顔をしてたのかしら…”
その瞬間、ゆでだこみたいに真っ赤な顔をした彼女が頭の中に浮かんだ。
オビ「A…」
少し穏やかな気持ちになりながら、
あることを思い出す。
オビ「白いカーネーションの花言葉は……」
“私の愛情は生きている”
・
・
次にやってきたのは、クラリネス城の庭園。
あの日、俺たちがダンスを踊った場所だ。
オビ「…マーガレット」
そこにもまた、カードと花が置かれていた。
雨の雫だろうか？水滴が上に乗っかっている。
どうやら、このカードは防水加工がされているようだ。
“大好きなダンスを大好きなあなたと踊れて幸せだった。
誰もいない月明かりの庭園で二人きり、
僅かに聞こえてくるヴァイオリンの音…
…今考えるととてもロマンチックね”
オビ「もう一度、あんたのドレス姿が見たいな…」
女神のような彼女。
マーガレットの花言葉は“真実の愛”
・
・
城下を歩いて、歩いて……
デートをしたあの日の、待ち合わせ場所に到着した。
住民の憩いの場、噴水広場だ。
ずいぶんと探し回ってカードと花を見つけた時、
俺はびしょ濡れだった。
なんと噴水の中にあったのだ。
ご丁寧にも石に括り付けられ、水に浮かないようにされていた。
濡れている俺を訝しげに見る目も気にせず、
ゲットした宝物を見る。
オビ「…ジャスミンか…」
白い小ぶりな花。
太陽に反射してきらきら輝いている。
“あなたの目に少しでも綺麗に移りたくて、無理しておしゃれをした。
オビは私を待ってる間、口を開けて欠伸をしていたね。
あまりに大きいから笑いそうになっちゃった”
オビ「…あれ見られてたか〜」
緊張でどうにも眠れなくて、
一睡もしないまま朝を迎えてしまったのだ。
＿＿＿まるで＿＿
＿＿＿＿＿まるで昨日のことのように、覚えている。
オビ「“あなたは私のもの”…ね」
胸が疼いた。
・
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ルルコ - 大・号・泣！！ ほんとにタイトル通り涙の雨です！それも大雨！最後の宝探し(手紙とお花)なんて神ですね！別の意味でさらに感動しました (2021年12月15日 1時) (
レス) @page50 id: 71a021f1b6 (このIDを非表示/違反報告)
purupru(プロフ) - はまってしまい、一気に読みました。涙雨3に入ってからは涙がでて止まりませんでした。更新再開を楽しみにしてます^ ^ (2018年11月6日 20時) (レス) id: bc972e56cf (このIDを非表示/違反報告)
れ - 一気に読んでしまいました。涙がとまりません。また、物語がスタートするの待ってます。 (2018年10月13日 17時) (レス) id: 3522cc0a39 (このIDを非表示/違反報告)
かりそめの蘇生(プロフ) - 更新再開してくれて嬉しいです！完結まで楽しみにしてます！ (2018年6月3日 7時) (レス) id: 4709ebaabe (このIDを非表示/違反報告)
マリモ - クラリネスで涙花病の薬つくってほしい (2018年5月15日 14時) (レス) id: 1e69e1c4b0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ミミネコ | 作成日時：2016年12月9日 20時
