winter123 凍えそうな冬 ページ26
自然は色をなくし、木々は本来の姿を露わにする。
この季節に咲くはずのないひまわりが、彼女の肩に咲いていた。
憎らしいくらい元気に。
その他にも、あざみ、スミレ、ライラック……
色とりどりの花が彼女の体に根付いている。
何故、花を身体から切り取らないのか聞くと、
『花に罪はないから』
と笑いながら答えた。
花を愛しているのだろう。
たとえそれが、自身の命を蝕むものであっても。
そんな彼女を、儚いくらい美しいと思った。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
☆Aside
私たちは、１度ウィスタル城に戻ることにした。
『ずっと黙っていてごめんなさい』
イザナには、私と兄上がすべてを話した。
しかし、彼の反応は、私たちが想像していたものとはかなり異なった。
『驚かないのね』
イザナ「お前が姿を消した１０年間、俺が何もしなかったと思うか？」
イザナが知っていたのは、涙花病とその症状。
そして、イルメリア家との因果関係。
つまりはすべてを知っていたというわけだ。
イザナ「ただのおとぎ話だと思っていたよ。
いや、ただ信じたくなかっただけかもしれないな」
自嘲気味に笑うと、イスに深く腰掛けた。
イザナ「悪いが一人にしてくれ」
私たちはそっと部屋を出ていった。
．
．
ゼンは帰ってきてからずっと自室に籠っているが、ミツヒデ、木々、白雪やオビは、毎日私の部屋へやって来て、雑談に付き合ってくれた。
けれど、表情が硬い。雰囲気も暗い。
このままでは、ダメだと思った。
．
．
『ごめんね。急に集まってもらっちゃって』
大広間に、全員を集めた。
来てもらえないと思ったが、イザナもいる。
息を吐きだした後、できるだけ明るい表情で、用件を切り出す。
『私と一緒に、イルメリアへ赴いてほしいの』
皆に、私の両親と会ってもらいたい。
私の故郷を知ってほしい。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿反対する者は、いなかった。
．
winter124 始まりの地へ→←autumn122 幸せは必ず来る
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ルルコ - 大・号・泣！！ ほんとにタイトル通り涙の雨です！それも大雨！最後の宝探し(手紙とお花)なんて神ですね！別の意味でさらに感動しました (2021年12月15日 1時) (
レス) @page50 id: 71a021f1b6 (このIDを非表示/違反報告)
purupru(プロフ) - はまってしまい、一気に読みました。涙雨3に入ってからは涙がでて止まりませんでした。更新再開を楽しみにしてます^ ^ (2018年11月6日 20時) (レス) id: bc972e56cf (このIDを非表示/違反報告)
れ - 一気に読んでしまいました。涙がとまりません。また、物語がスタートするの待ってます。 (2018年10月13日 17時) (レス) id: 3522cc0a39 (このIDを非表示/違反報告)
かりそめの蘇生(プロフ) - 更新再開してくれて嬉しいです！完結まで楽しみにしてます！ (2018年6月3日 7時) (レス) id: 4709ebaabe (このIDを非表示/違反報告)
マリモ - クラリネスで涙花病の薬つくってほしい (2018年5月15日 14時) (レス) id: 1e69e1c4b0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ミミネコ | 作成日時：2016年12月9日 20時
