autumn103 脱出 ページ6
☆Aside
男「けほっ…ごほっ……なんだ？下から煙が…」
『っ！』
上にまだ1人いる！
即座に白雪に指示を出し、持っていたステッキを構えた。
そして……
『えいっ！』
男めがけて、ステッキをフルスイングした。
ボカッ！
痛そうな音と共に、男は下へと落ちていった。
それを確認した白雪が、扉を閉める。
男「て、てめぇら……」
悪態をつこうとした男だったが、気を失ってしまった。
『……』
人を傷つけたのは、生まれて初めてだったから、手が小刻みに震えている。
＿＿＿＿＿すごく、怖かった
白雪「A、大丈夫？」
『う…ん。平気』
気持ちを落ち着かせるために、状況を確認する。
階段を上って到着したのは船の中の一室だった。
私たち以外は誰もいない。
飲みかけのウイスキーがテーブルの上に置いてある。
白雪「まだ出航はしていないみたいだね」
窓の外を見ながら、どこか安心したように言う白雪。
私も、ほっと胸を撫で下ろした。
『甲板に出たら、思いっきり走って』
白雪「うん」
『行くよ！』
ガチャ…
足を回転させ、全速力で走＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
女「残念だったね」
扉を開けた瞬間、目に入ってきたのは＿＿＿＿＿絶望。
いやらしく笑う女と、にやりと口角を上げる大勢の男たちだった。
女「あぁ……最高だねぇ。
人間が絶望する瞬間ってのは」
女は笑みを深めた。
おぞましく、冷たい笑み。
背筋がぞっとなった。
こいつらはきっと、私たちが脱出しようとしていたことを知っていた。
知っていたうえで、私たちの部屋の警備を薄め、わざと希望を持たせた。
ほんの一瞬だけ。
そして、実感させた。
お前たちが逃げる術は、どこにもないのだと。
女「逃げようとしたんだ。それなりの罰は与えないとねェ」
鎌を楽しそうに振り回し、赤い唇は笑う。
私はさっと白雪の前に立ち、彼女を守るように片手を広げた。
『どんな罰でも受ける。
だから、この子にだけは手を出さないで]
白雪「A！？何言って……！」
女「ハハッ！そんなにこのお嬢ちゃんが大事かい？」
あの日、ゼンと約束した。
『白雪なら大丈夫だよ。もし何かあっても、私が守るから』
たとえ誰かと約束していなくても、私の行動は今と変わらなかっただろう。
白雪は、私にとってもすごく大きな存在なのだ。
.
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ルルコ - 大・号・泣！！ ほんとにタイトル通り涙の雨です！それも大雨！最後の宝探し(手紙とお花)なんて神ですね！別の意味でさらに感動しました (2021年12月15日 1時) (
レス) @page50 id: 71a021f1b6 (このIDを非表示/違反報告)
purupru(プロフ) - はまってしまい、一気に読みました。涙雨3に入ってからは涙がでて止まりませんでした。更新再開を楽しみにしてます^ ^ (2018年11月6日 20時) (レス) id: bc972e56cf (このIDを非表示/違反報告)
れ - 一気に読んでしまいました。涙がとまりません。また、物語がスタートするの待ってます。 (2018年10月13日 17時) (レス) id: 3522cc0a39 (このIDを非表示/違反報告)
かりそめの蘇生(プロフ) - 更新再開してくれて嬉しいです！完結まで楽しみにしてます！ (2018年6月3日 7時) (レス) id: 4709ebaabe (このIDを非表示/違反報告)
マリモ - クラリネスで涙花病の薬つくってほしい (2018年5月15日 14時) (レス) id: 1e69e1c4b0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ミミネコ | 作成日時：2016年12月9日 20時
