summer45 尊敬 ページ46
★オビside
『白雪……あれ？いない…』
薬室のドアを開けると、そこには誰もいなかった。
もう夜も深いから皆帰ってしまったのだろう。
オビ「A嬢、俺ホントに大丈……」
『ここ、座って』
俺の言葉を遮り、ベッドに座るように促してきた。
逆らうと後が怖いので、とりあえず座って待つ。
A嬢はというと、棚の中をあさったり引き出しを開けたりして、道具をたくさん持ってきた。
包帯、ピンセット、消毒液、あと変な薬草。
それらを持ちながら、俺の隣に座る。
オビ「A嬢が手当てしてくれるのかい？」
『うん、あの日からたくさん勉強し……な、なんでもない！』
途中で口をつぐみ、俯くA嬢。
もしかして……
オビ「俺の胸の傷が痕になったこと、ずっと気にしてたのかい？それで勉強を？」
『……オビの傷が痕になったのは私のせいだから。
それで、もう二度とあんなことにならないように、薬学の勉強をしたの』
それを聞いた瞬間、なんとも言えない気持ちが心の中に広がった。
申し訳ない気持ち、嬉しい気持ち、尊敬の気持ち……
本当に、A嬢はすごい。
そして優しい。
あれは明らかに彼女のせいじゃないのに、責任を感じて、薬学の勉強までしてしまうなんて…かっこいいなぁ。
オビ「A嬢、ありがとう」
『お礼なんていいよ。
私がしたくてしただけ……ほら、手を出して』
ピンセットで手に刺さっている細かなガラスを丁寧に取り出した後、
傷口を消毒して変な薬草を調合してガーゼにつけ、
そのガーゼとともにぐるぐると包帯を巻いてくれた。
確かにこの前よりも手際がいい。
たくさん勉強して、たくさん練習したんだと思う。
オビ「本当にありがとう。あんたが居てくれてよかったよ」
『フフ…どういたしまして』
オビ「今からでも、夜会に戻るかい？」
『それは嫌』
ベッドから立ち上がり、
大きく伸びをしながら窓の方へと歩くA嬢。
髪が月明かりに照らされて、キラキラと輝いている。
『私ね、貴族が大嫌いなの。
私を品定めするかのように、じろじろ見てくるあの目。
いろんな人の視線がまとわりついて、気分が悪かった』
ああ、だからあの時バランスを崩したのか…
.
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朝葵(プロフ) - いちごチョコさん» わぁぁああ！(´▽｀*)そんなに楽しみにしていただけて本当に本当に嬉しいです。いちごチョコさんのおかげでやる気湧いてきました！更新頑張りやす。 (2016年8月30日 19時) (
レス) id: 14edfa9aa5 (このIDを非表示/違反報告)
いちごチョコ - すっごく面白くてお気に入りです!!次のお話が楽しみで楽しみで…なので、これからも更新頑張ってください!!
応援してます!! (2016年8月30日 19時) (携帯から) (レス) id: b2da1acbeb (このIDを非表示/違反報告)
朝葵(プロフ) - ナッチャンさん» Thank youです！！励みになります<(_ _*)>これから学校始まるんで更新速度が遅くなると思われますが、頑張りやす！ (2016年8月27日 15時) (レス) id: 14edfa9aa5 (このIDを非表示/違反報告)
ナッチャン - めっちゃ書くの上手ですね！！すごく面白かったです！！これからも頑張ってください！ (2016年8月26日 23時) (レス) id: 6790929056 (このIDを非表示/違反報告)
朝葵(プロフ) - 彩羽さん» あ、ありがとうございまぁああす！！(´ω｀*)超嬉しいです！なるべく早く更新できるように頑張りやす！！ (2016年8月18日 18時) (レス) id: 14edfa9aa5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：朝葵 | 作成日時：2016年8月9日 18時
