spring20 生まれてきたその瞬間から ページ21
★オビside
俺が考えを巡らせているときだった。
『オビ、聞いて』
俺の瞳を真っ直ぐ見つめるA嬢の目が、真剣な色を宿した。
その翡翠色の瞳に吸い込まれそうになる。
『この世界には、手が汚れていない人間なんていないよ。私たちは生まれてきたその瞬間から、何かを殺しているの』
『花を摘んだ瞬間、肉を食べた瞬間、私たちは何かを殺している。生きるためには、何かを犠牲にしなければならない』
『それが命なの』
『だから、自分の手だけが汚れているなんて思わないで。
あなたと私の手は、温度と大きさしか違わない。
私の手だって汚れている。
この世界の人間みんなそうだよ』
A嬢の言葉に、思わず目を見開いた。
衝撃を受けた。
こんな考え方をする人間を、初めて見た。
それと同時に、今握っている手と自分の手が同じようなものだということに、少し救われた気がした。
オビ「ありがとう、A嬢。
そんなこと初めて言われたよ」
『どういたしまして……って、ごめん！
私、急に手なんかつないだりして！…嫌だったでしょう？』
慌てて手を離すA嬢。
顔が真っ赤だ。
オビ「全然。ずっと握っていたいくらいだよ」
『もう……またそういうこと言って…』
嘘じゃないんだけどなぁ…
『じゃあ次は私が質問する番ね。それで、オビ。
私と別れてから今の今まで何をしていたの？ぜひ聞かせて！』
俺の隣に座り直し、パッと顔を輝かせるA嬢。
オビ「それがさ〜聞いてよA嬢！
俺この１ヶ月ですごい体験いっぱいしたんだよ。
まずね、仕事仲間に……」
それから、俺の１ヶ月の様子を全部A嬢に話した。
包み隠さず。
案の定、お嬢さんの直前に矢を射た話をしたらすごく怒られた。
『白雪に何やってるの？ダメじゃない！』って……
「俺も反省してる」「仕事だったからさ〜」ということで渋々許してもらえたが、少し機嫌を損ねたようだった。
でも、俺の話を聞いているうちに、いつの間にか直っていた。
『クラリネス王国第二王子付き伝令役？
それがあなたの肩書なの？』
オビ「そうだよ。ほら、ちゃんと身分証もあるしね」
首元にぶら下げてある身分証を見せると、感嘆の声を漏らした。
.
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朝葵(プロフ) - いちごチョコさん» わぁぁああ！(´▽｀*)そんなに楽しみにしていただけて本当に本当に嬉しいです。いちごチョコさんのおかげでやる気湧いてきました！更新頑張りやす。 (2016年8月30日 19時) (
レス) id: 14edfa9aa5 (このIDを非表示/違反報告)
いちごチョコ - すっごく面白くてお気に入りです!!次のお話が楽しみで楽しみで…なので、これからも更新頑張ってください!!
応援してます!! (2016年8月30日 19時) (携帯から) (レス) id: b2da1acbeb (このIDを非表示/違反報告)
朝葵(プロフ) - ナッチャンさん» Thank youです！！励みになります<(_ _*)>これから学校始まるんで更新速度が遅くなると思われますが、頑張りやす！ (2016年8月27日 15時) (レス) id: 14edfa9aa5 (このIDを非表示/違反報告)
ナッチャン - めっちゃ書くの上手ですね！！すごく面白かったです！！これからも頑張ってください！ (2016年8月26日 23時) (レス) id: 6790929056 (このIDを非表示/違反報告)
朝葵(プロフ) - 彩羽さん» あ、ありがとうございまぁああす！！(´ω｀*)超嬉しいです！なるべく早く更新できるように頑張りやす！！ (2016年8月18日 18時) (レス) id: 14edfa9aa5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：朝葵 | 作成日時：2016年8月9日 18時
