〜past〜運命の糸�� ページ7
☆Aside
＿＿＿＿＿＿それは、A10歳の誕生日パーティがイルメリア城で開かれた時のこと
ゼン「ダンスを申し込んでも？」
『ええ、喜んで』
社交的な笑みを浮かべてゼンの誘いを受けた。
そろそろ退屈な貴族の接待に
飽き飽きしていたところだ。
美しいヴァイオリンの音に身を任せる。
「「あのお2人は本当に絵になるわねぇ…」」
「「なんて愛らしいのかしら」」
「「婚約の噂もあるらしいではないか」」
せっかく大好きなダンスを楽しんでいるところなのに、様々な噂話が耳を突いた。
私たちに聞こえるように
わざと大きな声で話しているのだ。
くだらない。
思わず大きなため息を吐くと目の前の彼は苦笑した。
『ゼン王子、もしよろしかったら庭を散歩しませんか？』
ゼン「もちろん喜んで」
2人で悪戯っぽく微笑むと、手を繋いで庭まで駆けた。
きっと誰もいないはずだ。
小さな池があるところまでたどり着くと
生い茂る草の上にどかっと座り込んだ。
月が池に反射していて、すごく綺麗だ。
『…ふあー！やっとゆっくりできる！』
ヒールを脱いで芝生に寝転ぶ。
月明かりと夜風が気持ちいい。
ゼン「お前なあ…いくら俺だけだからってそんなにくつろぐなよ……一応王女だろ？」
『王女が芝生で寝ちゃいけないなんて決まりはないでしょう！ほら、ゼンも一緒に寝てみなって！』
ゼン「え、ちょ…うわっ」
肩を押さえ込んでゼンも寝転がらせる。
どう？気持ちいいでしょ？と聞くと
悪くない、と返ってきた。
ここの所生意気だ。
そのまま少し時が経った後
ゼンがふと口を開いた。
ゼン「本当に俺たち結婚すんのかな…」
その話題に少しぎょっとしたが、冷静に考えてみる。
『さあ……でもパパはそれを望んでいるみたい。
国同士に利益しかないし、ゼンのことかなり気に入っているから』
親バカだから例え相手がゼンでもかなり渋るだろうけど。
ゼン「お前はどうなんだよ？
俺が結婚相手でもいいのか？」
『もちろん。ゼンなら私を大切にしてくれそうだし…
私ゼンのこと大好きだから』
ゼン「…っ」
途端、ゼンは私から目を逸らして腕で顔を覆ってしまった。
隙間から見える横顔は真っ赤だ。
・
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名無し67465号(プロフ) - 号泣しました。素敵な作品をありがとうございました。何度も読み直しにきます。ありがとうございます (10月25日 2時) (
レス) @page7 id: 4d7900bf24 (このIDを非表示/違反報告)
和奏(プロフ) - すごく感動して、心にグッとくるお話でした。ハッピーエンドの作品だと思ってみたら、すごく悲しいエンドで衝撃的だったけど、作者さんのコメントを見てすごく納得しました。この作品を作ってくれてありがとうございます。この作品に出会えて良かったです(><) (2022年1月1日 8時) (レス) @page16 id: 740eade1e6 (このIDを非表示/違反報告)
華奈(プロフ) - 1日で全て読んでしまいました…笑 読み進めていく度に号泣してしまいました…明日は目が腫れますね笑 素敵な作品に出会えて良かったです！ありがとうございました！ (2021年12月22日 0時) (レス) @page7 id: 45dc289628 (このIDを非表示/違反報告)
イヌイット(プロフ) - 号泣しました。心に響く素敵な作品をありがとうございました。 (2021年9月23日 4時) (レス) @page7 id: 4f33071aee (このIDを非表示/違反報告)
菜月 - とても感動しました！心に響いて涙が溢れ出しました…、、ありがとうございました^_^これからも応援してます！ (2021年6月9日 17時) (レス) id: 6961366fb5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ミミネコ | 作成日時：2019年3月24日 1時
