獣 (ページ24)

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目黒｢お前、仲間を呼んだのか｣

そう彼が告げ、後ろを振り向くと
黒い狼が牙を向けている。

照くんだった。
照くんは、まるで怒っているように
低姿勢になり飛びついた。

ラウ｢ウワォーン！｣

照くんを止めるように泣き叫んだ。
そして、めめを守るように前に立った。

照｢どうして、｣

ラウ｢大事なんだ。｣

照｢俺よりもか、？｣

そう聞いた照くんはなんだか悲しそうだった。
静かに俺は頷いた。

照｢分かった。｣

照くんは、静かに山の中に向かって走り出した。

めめの目を見て人間の姿に戻ると
君は俺を抱きしめたんだ。

めめ｢ごめん、俺。｣

ラウ｢怖くないの、？｣

めめ｢怖くない。だって、ラウだから｣

ラウ｢その言葉信じていい？｣

月明かりが俺らを照らした。

君も照くんも俺もみんなが
その月に向かって

問いかけた。

｢君が好きだった。｣

END