獣 (ページ19)

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目黒「送っていくよ家まで」

ラウール「いや、いいよ」

目黒「近くだろ？」

俺の人間の姿しか知らない君は
本当の俺を知ったらどうなるのだろうか。

怯えて震えて、泣いて俺を軽蔑するのだろうか。
それとも嫌いになって突き放されるのだろうか

そんなことされるぐらいなら。

ラウール「やっぱり、もう逢えない」

目黒「なんで」

ラウール「俺達は一緒に居ちゃいけない」

そう言うと君は俺の腕を掴んだ。

目黒「っ、帰したくない。」

ラウール「離して、」

目黒「好きなんだよ、お前が」

ラウール「今、1番聞きたくない言葉だよ」

そう言って掴まれた腕を引いて
君に口付けをした。

もし、君が人間の姿の俺が好きなのなら
嘘を通し続けてでも君と居たい。

今ならそう思えた。

ラウール「こんな、俺でもいいの。」

目黒「当たり前」

左手を君の腰に巻き付け
君への愛に溺れた。