獣 (ページ14)

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.照side

いつから俺は、道を間違えたのだろう。
あの日、ふっかを失い
全てを無くしたように感じた。

照「ふっか、俺はお前がいなきゃ…」

深澤「馬鹿な事言ってんじゃねーよ
お前にはまだ守るものがあるだろうが。」

16年前の夏。

俺たちは闇組織の人間を狩る仕事に出かけた。
優秀だと認められたその腕を
振り回し、今日も人を殺した。

深澤「あー、疲れた」

照「今日も報酬これっぽちか」

「クーン、クーン、」

聞こえたのは人間と獣が混ざりあった声。
裏手を見るとそこには体育座りで泣いている
男の子の姿があった。

深澤「ねぇ、君ママは？」

ラウール「家に居るよっ…
でも、動かないの」

不審に思った俺たちはその子に尋ねた。

深澤「家まで案内してくれる？」

コクリと頷いた男の子は
俺達を家まで案内してくれた。
家に着いていくと、

鼻につく嫌な匂い。

母親と思われる獣の頭からは
無数のハエが飛んでいた。

ラウール「ほらね、ママ動かないでしょ？」