獣 (ページ13)

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数年後、俺は20になった。

照｢ラウール｣

ラウール｢今日も終わったよ｣

人の血で染まった身体で家に帰り
シャワーを浴びた。

この数年で俺の生活は変わった。
深澤くんの代わりに俺は仕事を受け継いだ。

照くんは前のように笑わなくなった。
深澤くんが人間に殺されたからだ。

18の大雨の日。

照くんはずぶ濡れで帰ってきた。
血で染った深澤くんを抱えて。

その日から雨の日になると照くんは暴れる。

照｢ワウォーーーん。｣

茶色い毛並みを靡かせ家じゅうのものを蹴散らす。

ラウール｢照くん、大丈夫だから。｣

立場は逆転し
俺は照くんを抱きしめた。

人間の姿だった俺の皮膚を照くんの爪がえぐった。

頬を撫で優しくキスを落とす。
俺がこの人を守る。そう誓ったから

ラウール｢照くん、｣

舌を絡め、意識を無くすぐらいに
君を抱きしめて

離さないと言うかのように手を握りしめた。