お義父さんのお呪い【青】

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家に帰って、有明進学校について調べる。全国的にも有名な塾だから東京から電車つかって通う生徒も少なくない。

クラスは分かれてて、
英語で全教科を学ぶバイリンガルクラス、理系を中心的に勉強する研究員とか医者目指してる人が多いクラス、これから成績を上げたい人への普通のクラスの三つある。

私も一時期バイリンガルクラスで習ってたことはあった。けど。
レベルが違うからついていけなくなってやめた。

だから、お母さんが教師だった頃はまだころんくんはいなかったはず。
古典の教師は何人もいるけど絶対どこかで会うはずだから。


「ころんくん」
「ん、なに？」
「有明進学校って知ってる？」
「……うん」

気まずそうにゆっくり頷く。

「古典の教師だったの、知らなかった」
「言う必要あるかな」
「ころんくんのことだったら何でも知りたいもん」
「……分かったよ、じゃあ全部教えるよ」

謎だらけなんだよ。
沙耶さんのこともお母さんのことも。

好きなんだから知りたいって思うのは当然のはず。


「僕Aのお母さんに古典習ってたんだよね、中学生のときからずっと」
「え？」
「それでさ、まあ中学生っていったら大人に憧れる時期なわけ。お母さん……愛子さんのこと好きだったな。女性として」
「……」
「Aのこと初めて見たときびっくりでさー。愛子さんにそっくりなの。そういえば沙耶もね、雰囲気が似てる」
「沙耶さん……」
「ほら、僕のこと送ってくれた子」

覚えてるよ。
覚えてるけど、なんで。

「なんであんなに酔ってたのに覚えてるの？」
「ん……実は記憶なくなるほど飲んでないけど送ってもらうの気恥ずかしくて演技してた」
「へえ」
「あと黙ってたことある。これ聞いたら多分怒るだろうけど……」
「ん？」
「酔いで我慢できなくて……Aにキス？しちゃったの、本当にごめん。沙耶だと勘違いしただけだって思い込ませるために名前も読んで……通報してもいいよ」
「……っぷ、通報？」

びっくり。本当にびっくり。

あれは、沙耶さんに向けたものじゃなくて。
私へのキスだった？

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