【歌い手】お狐様のお嫁さん。[後日談]

・ れいる様リクエスト ページ6

彼方 視点






棗「はぁ…、あの二人はまだまだ初々しいねぇ〜」









"ああ、そうだね"と自分も同意する。







棗の目線の先にいるのは真冬とAだ。


庭を二人で散歩しているようだ。









『でも仕事もちゃんとこなしてるしなぁ。本当すごいよあいつら』






棗「そりゃなんと言ってもわしのAやし？」






『はいはい(笑)』









棗のA自慢は何度も聞いた。


勿論、棗が話す時、目を輝かせて言うもんだから毎回聞いてしまうのだけれど。









棗「…わしはねぇ、嬉しいんよ。二人がちゃんと結ばれてくれて」







『…そっか』







棗「わしが、彼方を好きになったからAは１回真冬くんと離れ離れになってしまったんやろ？


…これでも結構気にしてたんよ」







『…棗が気にすることじゃないよ』








棗「そうは言っても一応そうなるようにしてしまったんはわしの気持ちのせいやろ？

そりゃ彼方を好きになったことを後悔してるわけじゃないけどさ…」









困ったように眉を下げながら、小さく微笑んだ棗は綺麗だった。


…いつでも綺麗で可愛いけど。









『…でもさ、もうそれは昔のことじゃん』







棗「…うん」







『あいつら、今すごく幸せそうに笑ってるでしょ？』









俺の目線の先にも映る二人の笑顔。


あれを"幸せ"以外になんと呼ぶだろうか。









『ここに辿り着くまでの工程がどうだったとか別にいいんだよ。


今、俺たち二人の大切な人がちゃんと幸せなんだからさ』






棗「…そうだね」









あの二人の幸せを、もう壊したりなんてしない。



自分達が二人に守られていたように、









＿＿＿＿＿今度は、俺たちが。









┈┈┈┈┈┈┈
れいるさん、リクエストありがとうございました。
こんな感じでよろしかったでしょうか？
そらるさん目線の夢主とまふさんの絡みを見守る96ちゃん、というのを何度も復唱しながら書きました(笑)

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