５５話 ページ8
A「体育祭、あっという間に終わっちゃったねー」
業「うん、でもまだ集合の指示がかかっていないからまだ何かあるのかもよ？」
業の予想は当たりだった。
直後に、マイクの電源が入る音がした。
「それでは、体育祭を終了します…と言いたいところですが、まず理事長先生の話を聞きましょう！」
學「皆さん、今日はお疲れ様でした。ここで、私から生徒会のメンバーにある競技をしてもらいたいと思います」
その言葉にざわざわと会場が騒がしくなる。
學「それは、借り物競争です。それもただの借り物競争ではなく、好きな異性の人を借りてください。女子は手を繋いで、男子は紳士らしくお姫様だっこしてゴールしてもらいたいと思います。」
会場がさらに騒がしくなる。
A「理事長先生があんなこと言うなんて珍しいね」
業「まあ、あの人は親バカだから」
A「親バカって？」
私の質問はアナウンスに遮られた。
「さあ、生徒会の皆さん！会場の真ん中でスタンバイしてください！」
会場の真ん中には秀くんもいた。
A「頑張ってー！！」
旗を振ると、なぜかニヤリとされた。
え、私の行動そんなにおかしい？
「一斉に行ってくださいね。それでは、よーい…スタート！」
秀くんを先頭に男子のメンバーも女子のメンバーも何故かこっちに来る。
業くんはかっこいいから女の子が来るのはわかる。
でも何で男の子が？
その時。
学「A、ちょっとこっちに」
A「ん？私？」
応援の柵から身を乗り出すとぐいっと引っ張られ体が浮く感じがした。
A「え！？し、秀くん！？//」
一瞬状況に頭が追い付かなかったが、どうやら私が秀くんにお姫様だっこしてもらっているようだ。
顔が思ったよりも近いところにあってドキドキする。
学「赤羽、言っておくがAは僕のだ」
そう言い残し、秀くんは走り始める。
後ろでは浅野先輩から奪うのは無理だーと言う声が聞こえる。
何のことやら…
というより、何なのこの状況は…！！？！？
A「し、秀くん…恥ずかしいんだけど…まだ？」
恥ずかしさのあまり、ずっと顔を手で覆っていた。
学「手をはずしてごらん。」
思いきって外すと…
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作者名：ぴょこたん | 作成日時：2018年3月29日 15時
