５０話 ページ3
放課後
作曲同好会は安定の無人だった。
中間テストが終わったら文化祭があるのに大丈夫なのかな…？
A「さて、残っている文化祭で弾く曲を作ろうかな」
作曲同好会は人数が少ないのに関わらず、２日間も披露するため一人が発表する曲数が４つ〜５つなのだ。
だから、夏休みの間に４つは作っておき、残っているのはあと１つだけとなった。
A「テーマは…」
うーん、そうだ！
舞踏会風にしよう！
そうと決まれば一直線に作っていく。
A「…よし、半分は終わったな」
と、その時。
学「全く、僕が入ってきたのにも気づかないとはな。」
A「ええっ！いつの間に…」
学「５分くらい前からだよ。Aが集中していたからそっとしておいただけなんだけど」
A「そうだったんだね。ねえ、早速この曲をきいてくれる？」
学「わかった」
すると、Aは今できたところまでを弾いていく。
学「うん、Aらしいね。この調子で頑張ってくれ」
A「わかったー」
学「…で？僕へのお礼は用意してくれた？」
A「それがねー…思い付かなくて」
学「そう。じゃあ、僕が勝手にもらうから」
A「え？」
そう言うや否や、秀くんはぐいっと顔を近づけて唇に柔らかいものが当たった。
学「うん、ありがとう。じゃ、そろそろ帰ろうか」
A「な…！」
Aは口をパクパクさせる。
学「ん？もっとしてほしいの？」
A「え、も、もう！早く帰ろう！」
恥ずかしくなり、秀くんの手を引いて、その日は帰った。
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作者名：ぴょこたん | 作成日時：2018年3月29日 15時
