絶望プリズン短編集 (ページ1)

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キスケ 1ー1 ページ1

「キスケの…バカやろー！」

「…まーたやってるんですか？」

シロウが呆れたように声をかけてくれる。

「うぅ…だって…」

「はあ…そんなに好きなら告白すればいいでしょう？」

「うぐっ…」

シロウの言葉に何も言い返せない。
そうなのだ、私はキスケのことが好きなんだ。
だけどそれを言えずに、いつも可愛くない態度をとって…
そのくせ、キスケが他の子に可愛いとか言葉を言ってたら嫉妬して…
さっさと告白しちゃえば楽なのに。
振られるにしてもさっさと告白して、ハッキリさせた方がいいのに、って思うものの、意気地のない私は告白出来ずにいる。

「はぁ…」

シロウと別れた私は1人で学校を歩いていた。

「どうかしたのか？」

「っ！？き、キスケ…！？」

ため息を吐く私に後ろから顔を覗くキスケ。
思った以上に顔が近くて…私の心臓はバクバクなって、うるさい。

「べ、別に…キスケには関係ないでしょ！」

そう言って顔を背ける。

「…ほんとーに可愛げねえなー…」

ズキッ、と胸が痛む。
可愛げがない、そんなのは私が1番分かってる。
でも…好きな人に言われて…傷つかないはずが無いよ。