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2.近くて遠くて真っ直ぐで ページ5

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「え、Aお昼帰ってこないなって思ったらそんなことになってたの?やっぱり私も着いて行けばよかった自販機。」


『なんで?』


「なんでってさあ、Aはそんな急に抱きしめられたりして嫌じゃないわけ?気持ち悪いってならないの??私がいたらそんな思いする前に助けてあげられたかもしれないじゃん。」


『うーん、別に嫌とも気持ち悪いともならなかったけどなあ。そういうのって人による気がするし、それにお昼助けてくれた子だもん。なるはずなくない??』


「あんたそういうとこだよ、本当感覚ズレてるから、気をつけた方がいいから、まじで。ただでさえAの周り厄介な人多いんだから痛い目見る前にどうにかした方がいい絶対に。」


一日の授業も終わり、栞と靴箱に向かいながらお昼にあったことを話していれば、靴を履き終えた彼女に両肩を捕まれ呆れたような目で見られる。

元々私に対して少し過保護な栞。何をそんなにも懸念しているのかは私には定かでは無いけれど、昼間のあの子を改めて思い出して見てもそんなに危険に感じるような子でもないので大丈夫だよと誤魔化してみれば本当にわかっているのかというような顔をされた。

そういえばあの子の名前聞くの忘れてたな、なんて言うんだろ。


なんて考えていれば後ろから声をかけられる。




「あれ、A。何してんの。」


『凪くん。別に何かしてた訳じゃないんだけど、凪くんは今から部活?』


「うん、そうだけど。」


「珍しいね玲王くんと一緒にいないなんて。どこ行ったの?」


「んーー、確か玲王は生徒会で何かあるとか言ってたような、あんま詳しく知らなーい」


「ああ、だから…」



2年になって同じクラスになった凪くん。なんだかいつもだるそうにしているけどかっこよくて、何でも簡単に出来ちゃって、私から見れば凄くキラキラしている彼。


そんな彼が栞と話し終えてこちらに視線を向ける


「Aもう帰るんでしょ。暗くならないうちに早く帰んなよ。」


『まだ17時にもなってないのにそんなにすぐ暗くならないよ。』


「それでも早く帰って。」


『無理だもん今日は栞と放課後デートなの』


「じゃあそれ終わったらでいいから帰ったら連絡して。」


『もう、しょうがないなあ、わかったよ。』



むくれたように口をとんがらせてそう言う凪くん。
なんだかんだ私は彼に滅法弱くて、最終的に何でも言う事を聞いてしまうことがよくある

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作者名:花子 | 作成日時:2024年1月16日 17時

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