検索窓
今日:3 hit、昨日:27 hit、合計:4,151 hit

ページ3

凛side




ピッ


ボタンを押せば落ちてくるスポーツ飲料。
手に取って自販機の隣にあるベンチに腰掛けると大きく息を吐きごくごくと買ったばかりのそれを飲んだ。



「あ"ぁ"くそっ!!」



静まれ鎮まれ戻れ大人しくしろ俺の心臓だろ言うこと聞け!!



騒いで止まない心臓のあたりを握り潰すようにギュッと抑える。



理由はわかっている。だけど認めたくない、あの女のせいだ。あの女を間近で見た時から、頬に触れられた時から、心配するような瞳に見つめられ手に触れられた時から…


何かがおかしいと思った。最初に見た時からウザいくらい騒がしく鳴りだした心臓。これ以上おかしくなられてたまるかと伸ばされた手を払って必死にいつも通りの顔を保った。


なのに簡単には元に戻ってくれなくて今もこうして鳴り止まぬ心臓を深呼吸して必死に戻そうとしている。


ありえねえ、絶対ありえねえ。


一目惚れ?俺が?恋だ何だにうつつを抜かす暇があるならサッカーをして一刻も早く兄貴を超えてやると練習に明け暮れて過ごしていたこの俺が?


たった一目見ただけの女にここまで調子狂わせられるとかありえねえ。


Aと呼ばれていたあいつ。少し見えた苗字だけ書かれた名札にはAと書かれていて十中八九さっき教室で男二人組が話していた女だったのだろうと簡単に予想は着く。

何が天使だ女神だと思っていたが間近で見たあいつの顔は確かに綺麗な顔をしていた。見つめれば吸い込まれるかのような大きくつぶらな瞳。あんなにも綺麗で邪な感情を含んでいない目を見たのはどれくらいぶりだっただろうか。


思い出せばまた騒がしくなる鼓動に嫌気がさし胸を押えたまま項垂れる。

すると近づいてくる誰かの気配と自分にかかる黒い影。
隣の自販機に用があるのだろうと無視していれば聞こえてきた声に上を向いた。


『あ、、間違えておしるこ押しちゃった、コーンポタージュ飲みたかったのにショック、、

あれ、え?あ、さっきの助けてくれた……ってどうしたの心臓なんか押えちゃって、やっぱりさっき私のせいでなんかあった?胸の辺りに勢いよく頭もぶつけちゃったしそれのせいかな、どうしよう保健室行く?』


まさかここで、こんなところでまた再開するとは思っていなくて目の前に突然現れてまた心配をするように慌てているこいつを呆然と見つめていると「とりあえず保健室行こう」と腕を軽く掴まれる。


その腕を逆に掴んで引っ張ると体に感じる体重。


何やってんだ俺

*→←*



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (17 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
62人がお気に入り
設定タグ:ブルーロック , 愛され
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:花子 | 作成日時:2024年1月16日 17時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。