乙女ゲームスタート ページ4
「あれ、顔色悪いで?ちゃんと寝たん?」
そう優しい声色で心配してくる目の前の青年
名前は確か、シャオロンだったか
恐怖が頭を埋め尽くす中
何故か冷静に
ほんとに全攻略対象が最初から殺しにかかってるんだなぁ、と思った
「なぁ?ほんまに大丈夫なん?」
『だ、大丈夫だよ!気にしないで!』
と、無難に返すが
「は?ちゃうやろ?心配かけてごめん。やろ」
初っ端から選択肢をミスしたらしい
右手の包丁を振り上げながら理想の返事でないことに詰め寄られる
『っ心配かけて、ごめんね?』
「全然えーよ!!はよ学校行こうや!」
息つく間もなく手を強引に引っ張られる
振りほどいたり抵抗すれば一発BADENDだ
いっそ吹っ切れて引っ張られる内に学校までの道のりを覚えることにしよう
「あ、やばいっ!!」
『どうしたの？』
「今日部活で朝に集合あるんやった!」
やばい〜〜!!と頭を抱えるところだけ見れば年相応の青年
どこでこうも性格がねじ曲がってしまうんだろう
「ほんっまにごめん!先行ってもええ？」
このゲーム、選択肢が必要になる場面が多すぎる
さっき死にかけたばっかりだというのに、どんなペースで進める気なんだ開発者
もうミスは許されない
選択肢なんて存在しない即死クソゲーだろうが生き延びてやる
『一緒に行けないのは残念だけど、部活も大事だもんね』
瞬間、ギュッと抱き締められる
「明日は一緒に行けるから!じゃっまた後でな!」
と大急ぎで走り去っていった
返事は間違えてなかったようだ
朝から心臓に悪すぎるぞ畜生
世の女は何が楽しくてこんなクソゲーをやりたがるんだ
はぁ、と思わずため息をつく
「ため息ばっかしとると幸せ逃げるんやで?」
とまた新しい攻略対象が
この気だるげ眼鏡は
『うつ君、おはよう』
「おはよ。なんかあったん？」
『朝から色々ね．．．』
さっきのシャオロンよりは話か通じそうだ
なぜなら、ぱっと見は凶器を持っていないから
「Aちゃんも大変やなぁ」
『別にそんなことないよ』
これからよくあることだろうから
「そういえば渡したい物があるんやけど」
カバンをごそごそとあさり始める
．．．どうせ碌でもないものなんだろう
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ユーリ―yuri―(プロフ) - 多分推し（グルちゃん）が出たときには…。…発狂準備Ok (8月3日 0時) (
レス) @page6 id: edd90fb147 (このIDを非表示/違反報告)
モモモ(プロフ) - イカれたヤンデレ達に対して夢主ちゃんの冷静なツッコミが面白くて好きです。更新楽しみにしてます。 (8月2日 10時) (レス) @page6 id: de8d799915 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：パンピザ | 作成日時：2023年7月31日 9時
