正真正銘、ゾルディック家の長女ですけど？ (ページ9)

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対峙 (旅団side) ページ9

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屋敷に来た理由は簡単だ。
俺達は幻影旅団。お宝を盗む盗賊でこの屋敷にはお宝があるから。

屋敷に侵入すると、思った以上に使用人がいた。

「絶で行くぞ。無駄に騒ぎを起こすな」

「了解」

団長にそう言われ、来ている団員の存在感が薄くなる。

その状態でまっすぐ進んでいくと、一人倒れている男を見つけた。

「…死んでるね。ほぼ無抵抗の間に頸動脈切られてるよ」

一人の旅団員、マチが確認する。聞いた団員達は誰がやったのだと警戒を少し強めた。

「この館に調べた限りだと、そんな実力者は居ないはずだけど？」

「じゃ、部外者だね」

シャルナークの言葉をコルトピは信じ、部外者と判断。ほかの旅団員も勿論その判断に賛成した。

少しの疑問を持ちながら更にまた歩くと、ひとつの扉が完璧に閉められていない。少しだけ、空いている扉があった。

「入る？団長」

「…あぁ」

扉を開ける時音を立てないようにし、中に入る。
そのとき一番最初に目に入ったものは金庫の扉のようなものが粉々になっていたのが見えた。

そして、その奥には長い黒髪の少女がお宝を手に取っている姿が見えた。

相手が円を使っている気配もない。全員が絶をしているためこちらに気づくこともなかった。

この少女が本当にあの男を殺したのか……？

「…先客じゃねぇか」

「ワタシ達の他にも盗賊がいたとはね」

「一人……か？」

少女の近くまで接近し、フィンクス、フェイタン、団長であるクロロがそれぞれ喋る。

その途端に少女はこちらを二つの大きな目で捉え一瞬の隙も作らずにこちらへの警戒を強めた。周りは漆黒に包まれていて姿全体は見えないけれどその目がこちらを向いたのは簡単に分かった。

＿＿まるで隙がない。自分の間合いに入れば一瞬で殺すと顔に書いてある。

その顔を見て旅団員も少女に対する警戒を強めた。

「お前は何者だ？」

『…さあ？』

「やるか？団長」

『ちょ、待ってよ』

ノブナガがクロロに問うと、少女は焦った様子でとめた。

『君たち全員で私をやるのはいいよ。でも、ちょっと待ってくれない？』

「何がしたい」

『んふ、最後になるかもしれないし、愛する弟に電話♡』

こちらの沈黙を肯定と受け取ったようで、携帯を取り出し、慣れた手つきで操作し始めた。