正真正銘、ゾルディック家の長女ですけど？ (ページ7)

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侵入ページ7

ターゲットの屋敷は無駄に広く、探すのが面倒くさい。でも、私とイルの暗殺は、邪魔者は全て消すってのが普通だからね。

イルミとエルは別れて進んでいく。
2人で手分けしてターゲットを探した方がいいと判断した為だ。

足音を消した暗歩と四大行のひとつの絶を使いながら歩いているから、バレることは少ない。

その証拠に、屋敷のただの使用人の横をゆっくりと通り抜けてもバレることはない。

『…イルの方は見つかったかなぁ』

一人呑気に屋敷の廊下を歩く。
ゾルディック家よりはかなり小さいけど、それなりの大きさはあるし探すの面倒だなぁ。

ターゲット探すために、円でもしよっかな。
でも、念が使えるボディーガードがいればすぐバレちゃうし…。

「…そこの女、止まれ」

後ろから声が聞こえる。絶をしてるのに何でだろうか。

『私のこと？』

後ろを振り返ると黒のスーツを着てサングラスをかけたいかにもSP感が強い人がたっていた。

「てめぇ、侵入者だろ？何が目的だ」

『私は弟の手伝いだよ～。目的は、当主の暗殺かなぁ？』

暗殺の部分でにやりと笑って挑発する。
前の男はその言葉に舌打ちをし、不機嫌な感じを撒き散らした。

「大人しく投降しろ。投降すれば命までは奪わんぞ？」

『やーだね。私は可愛い弟のために働かなくちゃ』

投降したとこで、待っているのは拷問。

けれど、暗殺一家ゾルディック家として生まれたから拷問の訓練は一通り受けた。
だから負けても全然平気。

『ねえ、今から死ぬ君にひとつ聞いていい？』

「反抗すんなら死ぬのはてめえだ」

『私を殺せるとでも思ってるの？はっ、無理無理。で、なんで絶してた私のこと見つけられたの？円、使ってないよね？』

円の気配なんてすぐに分かる。
でも、なかったから十中八九この男の能力だろう。

「俺の能力は絶をしてる部外者の人間が見えるんだ。だから、円の方に気を使う必要なんてねえんだよ」

『んー、能力の無駄遣い！ほかの能力にすれば良かったのに』

「うるせえな！…まあいい、話はここまでだ。大人しく投降しろ」

この人、甘いなぁ。だからこそ、命取りになるんだけど。

『…凝をしてれば避けられたのに。圧倒的実践不足だね』

「なんの事だ…！？……っ！！」

『やっと気づいたの？』

男の周りを取り囲むのはオーラの水の糸。
目視は出来ないけど、凝を使えば見ることはオーラをできる。

エルは男を見据えゆっくりと指をくいとひいた。