正真正銘、ゾルディック家の長女ですけど？ (ページ6)

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確認ページ6

暗闇がだんだんと支配してきたところでやっと屋敷の前にたどり着いた。

屋敷は所々で窓から光が漏れていて、人がいること自体は確認できた。ただ、ターゲットが今いるのかは不明だ。

『イル、最終確認しよう』

「うん」

一歩先を歩いていたエルはイルミの方をむく。
最終確認とは、一緒に仕事をやるときにいつも確認してることだ。

『一つ。私はイルの仕事の手伝いだから最終的にターゲットを殺るのはイルね。でも、もし、私の念にターゲットが引っかかったのならイルの手柄で良いよ』

「ん」

『二つ。この屋敷には多分居ないだろうけど可能性は捨てきれないからね。自分の目で判断して勝てないと思った敵とは戦わないこと』

「キルにも言い聞かせてることだし大丈夫だよ」

イルミはエルの言うことを素直に聞いている。
エルも、いつもの調子ではなく少し真面目な顔つきに変わっている。

『最後に、』

「まだ何かあるの？」

『これが一番重要！なにか危ない人とか物を見つけたら私を呼ぶこと。または自分が危ない状態になったときとか、一人じゃ無理だと判断したら私をすぐに呼ぶこと！』

「…はいはい」

心配そうに見つめるエルに対して、イルミはため息をついた。

＿＿オレ、そんな弱くないのに。

「姉さん」

『ん？』

「過保護だね」

自分よりもかなり背が低い姉。
守ってあげたい、守ってあげるべき存在。
そんなにオレを心配するなら、自分の心配をして欲しい。

『過保護……過保護かぁ………』

「姉さんとオレ同い年だからね？そんな心配しなくても…」

イルミが言いかけた言葉はエルの手に口を塞がれて止まった。
そして、エルはイルミの顔を見てにこりと笑った。

『心配させてよ。ゾルディック家の大事な長男で、私の大切な双子の弟(半身)なんだから』

「二人で一つっていう考え？」

『私はそっちの方がいいなぁ』

エルは月に照らされ始めた夜闇の中、にことまた笑った。

「……そう。さ、話してても仕方ないしそろそろ行こ」

『ん！了解！』

先を行く姉の背が大きく見える。

＿＿＿＿やっぱり敵わないなぁ。

そう思ってイルミは先に門をくぐって屋敷に侵入していく姉を追いかけた。

(…イルも素直じゃないなぁ。お姉ちゃんが心配なら、言ってくれてもいいのに。まあ、素直じゃないとこがイルの可愛いとこだよなぁ。

半身(弟)の考えてることなんて大概わかるもんだよね、ふふ)