正真正銘、ゾルディック家の長女ですけど？ (ページ14)

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カルトページ14

それからゾルディック家に戻った。
広い家で家族と遭遇することなんてあまりない。

『イル、おやすみ』

「ん、おやすみ」

イルミの部屋まで彼を送る。
それからは長い廊下を歩きながら自分の部屋を目指した。

廊下の電気は少ししかついていなくてとても暗い。
しかも、明るい電気じゃないから不気味に感じる。

廊下の窓からの見える月はとても綺麗だ。

「…姉様？」

ぼーっとそんなことを考えながら歩いていると、廊下の角から一人の弟が出てきた。

『カル？』

「はい。姉様おかえりなさい」

『んふ、ただいま』

可愛い弟に会えて、頬が緩むエル。

『こんな夜遅くまで起きてて、どうしたの？眠れない？』

「い、いえ、眠れなくはないですが…」

『しっかり寝なきゃ、訓練は耐えられないよ～』

そう言って左手でカルトの頬を軽くつねる。

「ねっ、姉様、やめてください！」

『ごめんごめん。で、カルがこんな時間まで起きてることってないし、何かお姉ちゃんに言いたいことあったのかな？』

そう言うと顔の色を変え、こちらをじっと見てくるカルト。
かっ、かわ、かわいい……、

「姉様、今日の午後暇ですか？」

『ん？明日は休みだからね、暇だよ』

ちなみに今は午前の2時である。

「僕の訓練終わったあと、一緒に街に行きませんか？」

僅かにエルより小さい体で上目遣いで言われた彼女は少し悶え、笑顔を向けた。

『勿論いいよ。ただし、しっかり訓練してからだよ？』

「分かってます」

『ん、よろしい。ほら、明日も早いんだから早く寝なさいな』

「…はい、おやすみなさい」

『おやすみ』

くしゃりとカルトの頭を撫でて廊下で別れる。
んー、絶も上手になったなぁ。お姉ちゃん、気づけなかった。

陽気な気分になって歩いていくとスグに自分の部屋についた。

『…あ～…、やっぱり、弟達、かっわいいなぁ…』

ベットにぼすんと沈み込み、そう呟く。
殆ど物がない部屋だからか、すこし反響した。

『…お風呂入んなきゃ……』

ぐっと左手に力を入れて立ち、部屋に備え付けられてるシャワー室に向かい、シャワーを浴びた。

その後は疲れていたのか、髪の毛も乾かさずに寝てしまった…。

(……母さんとイルに怒られる……、

でも、眠気には勝てないし……、仕方ない………)

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