正真正銘、ゾルディック家の長女ですけど？ (ページ12)

今日:9 hit、昨日:8 hit、合計:42,996 hit

雑談ページ12

·

エルはニコニコと笑いながらイルミに手を振る。
それを見たイルミははぁとため息をついた。

「なんで姉さん、旅団と戦ってたのさ」

『旅団？』

「幻影旅団」

『通りで強いわけだぁ……。見て見てイル、右腕折られちゃった』

へらりと笑いながらエルは右腕をイルミに見せる。

「アホでしょ、姉さん」

『確定しないでよ！』

イルミに言われてむすと、頬を膨らませる。
一応イルミの知り合いだと思って、水の糸を自分の体に戻した。

「イルミ」

エルがその場から立った時、オールバックの男が声をかけた。

「なに、クロロ」

「知り合いか？」

「うちの姉さん」

「パッと見はお前の方が兄に見えるけどな」

『んだと！あんた、ぐっちゃぐちゃに引き裂いてやる！』

「落ち着いて、話が進まない」

イルミはエルのもとに近寄り眉なしの言葉にイラついている彼女を止める。

「…本当に姉？」

「見えないね」

「まずイルミと同じのゾルディック家にも見えない」

『ねぇ、そんなに言う？イルはお姉ちゃんこんな言われて悲しくない？』

「うん、悲しくないよ」

ゾルディック家の人間に見えない、というのは、エルがとても人殺しをできる人間には見えないということだろう。

『…イルも酷い』

更に顰めっ面になった彼女はいじけてその場に座り込んだ。

「まあ、ゾルディック家の人、殺さなくてよかったよ」

「ホントにね、報復にきそう」

「そうだな。敵じゃないってこともわかったし、早く宝頂くぞ」

旅団員は団長の言葉を聞き、宝の山の中から物を探し始めた。

『ねえ、イル』

「？」

旅団員の後ろ姿を見ながら、イルミに声をかけた。

『お姉ちゃん、イルが旅団員と知り合いなんて知らないんだけど』

「言ってないからね」

『ヒソカの時もそうだったし…』

「…ただ単純に会わせたくないってのもあるよ」

『なんで？お姉ちゃん、イルの知り合いに会うの楽しいよ？』

「姉さんに変な虫つくでしょ」

パチリと１回瞬きし、さっきの顰めっ面から一変、笑顔に変わった。

『うちの弟はお姉ちゃん好きで可愛いなぁ～』

「そこまでは言ってないよ」

『あう、酷い！』

姉の頭にデコピンを打ち込むとは…、
手加減無しでやられてズキと痛む額を左手で抑えた。

「ふは、仲良いんだな」

『でしょ！あ、そうだ。あなた達、名前は？』

イルミの知り合いと聞き警戒をなくしたエルはにこと笑いながら聞いた。

・