映画あたしンち

ピアス ページ2

空は濃い灰色になっていて雲も厚い

もうすぐ雨が降りそうだから

洗濯物を取り込もうと思って

ベランダを出てみると

みかん姉さんの声が聞こえた


み｢お母さん、ちょっといいかな〜｣


一体何をねだろうとしているのだろうか

お小遣い？それとも新しい洋服？

しかしどちらも違った


み｢アタシさー、ピアス付けたいんだけど
いいかな〜？｣


ピアスか…姉さんピアス付けたかったのか…

あんな痛そうなのよく付けたいって思えるな…

とか思っていると

お母さんの大声が聞こえてきた

そしてしばらく姉さんとお母さんの口論になる


母｢冗談でしょ!?
ダメに決まってるじゃないの！｣

み｢なんでよ〜！｣

母｢何ででも！｣

み｢だから何で？｣

母｢そんなピアスなんて…
耳は穴開けるとこじゃないの！｣

み｢でもみんなやってんじゃん｣

母｢じゃあみんながやってたら
鼻輪もつけんの？｣

み｢うっ｣


姉さんは言葉に詰まった、そりゃそうだ

だって鼻輪って…‪w


み｢んもう！そういう話じゃなくて
ピアスダメなの？
何でピアスダメなわけ？｣

母｢何でって…その開けた穴がビロ〜ンって
伸びちゃったらどうするの？｣

み｢伸びないよ！｣

母｢伸びます、お母さん見たことあるもん
ここがビロ〜ンってなってて
耳たぶが地面にくっついてる人ぉ｣

み｢ウソばっかり｣


うん、伸びませんし

その嘘には無理がありますよ、お母さん‪‪


み｢ピアスくらい普通だし
だいたいアタシの体をどうしようと
アタシの勝手じゃん｣


じゃあ姉さん、なんでお母さんに聞いたの…

勝手に開けちゃえば良かったのに…

ってうちは思うけど

世の中そういう訳にはいかないんだよね…うん


母｢何言ってんの、このバカチン！
あーたの体があーただけのもんだと
思ったら大ー間違いよ！…ん？｣


大声出しっぱかと思いきや急に静かになった

一体どうしたんだろうか…


み｢えへへ、ピアスOKなら
買ってきてあげてもいいよ〜｣


なるほど、今料理してて醤油とか何かきれて

お母さんはみかんに頼もうとしてたのね


母｢ダーメ！ダメダメダメダメダーメ!!｣


しかし次の瞬間、また急に大声を出した

お母さんの声が聞こえてうちはびっくりした


母｢いいわよ、お母さんが行ってくるから！
お味噌汁の大根、切っといてよ｣

み｢んもう！｣


ガチャッというドアの音がした

お母さん買い物に行ったのか…

雨降りそうだけど大丈夫かな…？

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