# ページ32
熱々の珈琲が染み込んでいる服を急いで脱ぎ捨て、上半身裸になる。
ぎりぎり火傷はしていないようだったが、珈琲が降りかかったところは赤くなっていった。
「っ…!?」
兎月は俺が上半身裸なのを見て、足が止まり顔を赤らめこちらを見ている。
いやいや、止まってないで早く氷くれよ…
「…氷」
ぼそりろ俺が呟くと急いで兎月は走り出す。
あ、おいおい、走ったらまた転ぶ…
グシャッと紙が潰れるような音。宙に浮く兎月の体。外へ放りだされる氷。
見事、俺の顔面に氷がストライクした。
*
「…何か言う事は」
泣き顔の女が正座して今にも泣きだす勢いで上半身裸の男がその女の前にたち説教をするという
なんともカオスである。俺達以外の奴がみたらなんと思うだろうか。
「っ…す、すみません…っっっ!!」
ぼろぼろと大きな涙をその大きな青色の瞳から零して土下座して謝っている此奴。
被害が俺だけならまだしも、キーボードに珈琲がかかりキーボードがダメになっちまった。
まぁ、パソコン本体に掛かっていないだけましだろうか。あそこには沢山の情報が
入っているからな。
「…はぁ…」
またもや、俺は何度目かの溜息を吐いた。
まぁ、女がここまで謝っているのに許さないという程俺は鬼ではない
だが、構成員の間ではターゲットを残酷に殺したり体術の指導が厳しかったりするためか
鬼と呼ばれているそうだが。
「…次からは気を付けろよ」
俺が静かにそう言えば、兎月はぱぁぁぁと顔を明るくさせ、面を上げた。
腫れている赤い目。ほんのり赤く染まる俺の顔。
…ん?赤く染まる…?いやいや、まさかそんなわけない。ちと熱いだけだろ。
そんな考えを振り切るように俺は大きく頭を振った。兎月が不思議そうな目でこちらを見ている。
ふと俺の瞳に腫れている目が移り、ちょっと罪悪感が積もる。
俺もここまで泣かせるつもりはなかったんだがな、と小さく言い訳を心の中で零した。
*
次の日。
いつも通りにポートマフィアに出勤していつも通りに俺のデスク部屋に入る。
まぁ、デスク部屋と言っても一応仮眠できるようにベットとかおいてあったりテレビとか
おいてある辺り完璧住める状態だ。
いつも通りに眼鏡をかけて、いつも通りに椅子の上に座って新しいキーボードをつなげた。
まぁ、至ってそこまではいつも通りの一日だ。彼奴が来るまでは。
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嘘吐き姫(プロフ) - 中也さん、今度は戦国武将ですか…敵がバッサバッサですね(笑) 名前っぽいペンネームも素敵ですけど、双黒尊い…って、率直&ドストレートで、私は結構好きです!名前変わっても双黒尊い…さんはM・T(マイ・天使)です(( (2019年11月8日 19時) (レス) id: 346988f6d0 (このIDを非表示/違反報告)
双黒尊い…(プロフ) - リアさん» それは大変失礼いたしました。私がこのCSSを気に入っているという諸事情であまり変えたくないのです。本当に申し訳ございません。もうお知りになっているのかはわかりませんけれど右側にあるCSSという所を押せば、普通のに切り替わりますよ。 (2019年11月8日 16時) (レス) id: f17b921f9b (このIDを非表示/違反報告)
リア - あの小説のほうはすごく面白いのですが背景が桜の花びら、字が白なので大変読みにくいです壁紙を変えてください (2019年11月8日 16時) (レス) id: fa2d4be8dc (このIDを非表示/違反報告)
嘘吐き姫(プロフ) - 双黒尊い…さん» リクエストください(笑) (一つ前のコメント、レスつけそびれちゃいました、すみません!) (2019年11月6日 22時) (レス) id: 346988f6d0 (このIDを非表示/違反報告)
嘘吐き姫(プロフ) - リクエスト消化、ありがとうございました!びびりみたいなコミュ症みたいな夢主ちゃんめっちゃ可愛かったです(眼力) あと、「俺ってそんなに怖いのか」っていう中也さんの心の叫びにちょっと笑っちゃいました(笑)リクエスト停止を解消したら、是非私の作品にも (2019年11月6日 22時) (レス) id: 346988f6d0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:双黒尊い… | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/kouki69632/
作成日時:2019年10月22日 19時