#ドッペルゲンガー/中原中也 ページ2
「Aちゃんさっきはありがとうねぇ」
首領は笑いながらそう言った。
「え…?」
思わず素が漏れてしまう。
何を言っているのだろうか首領は。
先程まで私は敵組織にいたというのに。
「?どうしたんだい?だけど本当に助かったよエリスちゃんと遊んでくれて」
本当にありがとうねぇともう一度首領はお礼の言葉を言った。
「い、いえ…」
思わず照れてしまう。たまには褒めてもらうのも悪くないかな、なんて。
この時私は人事のように思っていたのだ。
「はい、お礼として明日休んでいいよ」
よっしゃ、心の中でガッツポーズをする。
久しぶりのお休み。何をしようか、ショッピングでもしようか。あれこれと頭の中で考えを
巡らせる。しかしこんなに楽な事があっていいのか。
ただ敵組織に行って相手を拷問しただけだと言うのに。
「またエリスちゃんと遊んであげてねぇ」
首領はニコニコと100点満点の笑顔で笑いながら手を振ってきた。
なので私も首領室を出る前に小さく照れながらだが手を振り返しておいた。
*
ルンルンとした気分で私はスーパーに足を向けていた。
早帰りな上に明日はお休み。
そうだ、今日は普段だと忙しくてあまり作れないものにしようかな。喜んでくれるかな?
歩いていると見覚えのある砂色のコートに見覚えのある背中。そして髪。
「あっAちゃん」
太宰治。彼のライバルであり元相棒である。
「太宰」
「また会ったねぇ」
「っ?」
また…?
可笑しい。可笑しすぎる。
私は太宰と会うのは今日が初めてだと言うのに。
これは運命かもしれないとほざいている太宰を無視する。
どういうことだろうか……
あぁ、わかった。きっと彼は私のそっくりさんに会ったのだ、あぁそうだ、そうに違いない。
人間にはそっくりさんが三人いるというのだから。
「今日首領からお休み貰ったから私忙しいの。じゃあね〜」
「珍しいこともあるんだね」
これ以上一緒に太宰といると面倒事に巻き込まれるかもしれないし今日はちょっと手を凝るから
早く材料を買わないといけないから私は太宰と別れた。
「あれ?Aさん?」
たまたまバタリと出会ったのは賞金70億の中島敦。
太宰に苦労している同士国木田、中也、中島はよき理解者である。
「こんばんは。今晩は何を作るんですか?」
「今日はねぇ中也の好きなお酒が入っている煮込みビーフシチュー」
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嘘吐き姫(プロフ) - 中也さん、今度は戦国武将ですか…敵がバッサバッサですね(笑) 名前っぽいペンネームも素敵ですけど、双黒尊い…って、率直&ドストレートで、私は結構好きです!名前変わっても双黒尊い…さんはM・T(マイ・天使)です(( (2019年11月8日 19時) (レス) id: 346988f6d0 (このIDを非表示/違反報告)
双黒尊い…(プロフ) - リアさん» それは大変失礼いたしました。私がこのCSSを気に入っているという諸事情であまり変えたくないのです。本当に申し訳ございません。もうお知りになっているのかはわかりませんけれど右側にあるCSSという所を押せば、普通のに切り替わりますよ。 (2019年11月8日 16時) (レス) id: f17b921f9b (このIDを非表示/違反報告)
リア - あの小説のほうはすごく面白いのですが背景が桜の花びら、字が白なので大変読みにくいです壁紙を変えてください (2019年11月8日 16時) (レス) id: fa2d4be8dc (このIDを非表示/違反報告)
嘘吐き姫(プロフ) - 双黒尊い…さん» リクエストください(笑) (一つ前のコメント、レスつけそびれちゃいました、すみません!) (2019年11月6日 22時) (レス) id: 346988f6d0 (このIDを非表示/違反報告)
嘘吐き姫(プロフ) - リクエスト消化、ありがとうございました!びびりみたいなコミュ症みたいな夢主ちゃんめっちゃ可愛かったです(眼力) あと、「俺ってそんなに怖いのか」っていう中也さんの心の叫びにちょっと笑っちゃいました(笑)リクエスト停止を解消したら、是非私の作品にも (2019年11月6日 22時) (レス) id: 346988f6d0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:双黒尊い… | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/kouki69632/
作成日時:2019年10月22日 19時